この記事をまとめると
■選挙カーのルールについて解説
■道路交通法の一部が適用されない
■選挙カーの製作に補助金が出ることも
「通行禁止」と「駐車禁止」の一部が免除
ワタクシごとで恐縮なのだが、近所の知り合いが頼まれて自宅を選挙事務所にしただけでなく、買ったばかりの新車を選挙カーにして(させられて)、候補者と一緒に日夜かけずり回っている(要は選挙費用がない)。もちろんボランティアだけに、グチもタラタラ。
せっかくのお高い愛車が可愛そう的な話をしていたのだが、「警察が警備に来るときがあるけど、ずっと路駐していてもなにも言わないんだよね。演説は下りてしているからクルマは放置なんだけど」と言う。「大政党からの立候補だから忖度ですかね」と返しておいたのだが、気になって調べてみると、意外なことがわかった。
それが「選挙カーだと道路交通法は適用されない」ということ。正確にはなんでもOKではなくて、一部が免除され、具体的には「通行禁止規制」と「駐車禁止の規制」だ。通行禁止については「指定車両を除く」とある区間だけ除外される。駐車禁止については交差点内など、危険な部分では選挙カーであっても違反になる。
さらによく見かけるのが、窓から顔を出して手を振る光景だが、まずシートベルトはしなくてもいいため、軽く顔を出す程度ならOK。ただし、昭和の選挙みたいに箱乗りやワンボックスのスライドドアを開けて身を乗り出して手を振ったり、飛び降りるのは違反となる。ちなみに当時も違反ではあったが、こちらは忖度だろう。
巨大なボードをルーフ上に乗せていて、車両規定の2m以上となっている例も珍しくないが、これは事前に警察に申請をすれば除外されるので違反ではない。また、意外なのが、選挙によっては選挙カーの製作に補助金が出るということ。もちろん税金が原資だが、これは出馬に対するハードルを下げたり、金のかかる選挙の防止。候補者間の差をなくすためなどが目的で選挙公営と呼ばれる制度。ただ、選挙カーについては市町村レベルの小さな選挙だとなくて、ウチの近所の場合は区議会なので、残念ながら補助はない。
ちなみに選挙カーでぐるぐる回って、名前を連呼するだけの選挙活動への疑問がよく見られるし、単にうるさいという意見もある。朝の8時から夜の8時まででマイクの使用が許可されているので問題自体はなくて、逆を言えばそれ以外の時間でマイクで連呼するのはできないので静かにはなる。ただ、マイクを使わず、肉声であれば24時間連呼や演説は可能ではある。