この記事をまとめると
■筆者はトヨタ・カローラセダンを購入
■ガソリンエンジンの伸びしろを感じた
■BEVシフトの目的にはヨーロッパの再興が含まれるように思う
新車購入で感じたガソリンエンジンの可能性
2023年2月末に発注してから半年ほど待って筆者の手元に、2022年10月3日に改良を行った、トヨタ・カローラセダン1.5Gが納車された。
改良レベルにもかかわらず、セダンのHEV(ハイブリッド車)ではないガソリンエンジン搭載車では、改良前の1.8リッター直4から1.5リッター直3へ載せ替えが行われるなど(あとはリヤサスがダブルウイッシュボーンからトーションビームに変更)、メカニズム面でも大きな変更を受けた。改良前に筆者のカローラセダンに搭載されていたのは、1.8リッター4気筒2ZR-FAE型エンジンでバルブマチック仕様となっていた。バルブマチックが開発されたのは2007年。2ZRエンジンもけっして新しいエンジンではなく、しかもエンジン自体もかなり大きいこともあり、当時購入する時も古いエンジンというイメージを持っていた。実際納車されて使ってみると、排気ガスがかなり臭うのも気になった。燃焼効率が悪いようで、いまどきアイドリングはできる限り控えるべきだが、それでもアイドリング時には周囲に排気ガスの臭いが広がって少々恥ずかしい思いをした。走らせてみると燃費があまり良くないのも気になった。筆者はあまりエコ運転を意識しないこともあるのか、どんなに頑張っても14.5km/Lあたりが限界であった。
そして今回の改良モデルでは、すでにトヨタ・ヤリスなどにも搭載されている、トヨタの新世代ダイナミックフォースエンジンとなる1.5リッター直3のM15A-FKSが搭載された。まず驚いたのが改良前では気になっていた排気ガスの臭いがほぼ気にならなくなったこと。さらに燃費の良さも1.8リッターから1.5リッターになったことを差し引いても大きく改善した。納車されディーラーから自宅へ戻る短い距離でもすでに燃費計は15.0 km/Lあたりを表示していた。後日400kmほど高速道路メインで使ってみると、カタログ数値(19.4 km/L)に近い19.0 km/Lまで燃費が向上して驚いてしまった。
今回の乗り換えで、日本車のガソリンエンジンの可能性というか、優秀性をまざまざと感じることができた。単に燃費性能だけでなく環境性能も明らかに向上している。日本国内ではトヨタ以外でもHEV(ハイブリッド車)を選ぶのが当たり前となっているが、ガソリンエンジンの進化というものもまだまだ伸びしろがあると感じた。さらに、これじゃヨーロッパがBEV(バッテリー電気自動車)へシフトを急ぐのもわかるなあと変な理解もしてしまった。