この記事をまとめると
■2列シートのハイトワゴンとしてシエンタとフリード+が日本で人気だ
■ルノーから販売された新型カングーも強力なライバルとして存在する
■カングーの観音開きのバックドアは愛犬家にオススメだ
2列シートハイトワゴン、使い勝手で選ぶならどれがオススメ?
今ではステーションワゴンに代わるユーティリティカーとして人気なのが、両側スライドドアを備えた2列シートのハイトワゴンだ。国産車としてはホンダ・フリード+と2022年に新しくなったトヨタ・シエンタの2列シート版が代表格。一方、輸入車には日本でも大人気のルノー・カングー、プジョー・リフター、シトロエン・ベルランゴが揃い踏みしている。
ここではそんな日仏の両側スライドドアを備えた2列シートのハイトワゴンのなかから、日本勢のフリード+&シエンタと、フランス勢として最新のカングーを、ユーティリティカーとしての資質に特化して対決させてみたい。
まず、日本勢とフランス勢の大きな違いはサイズ。フリード+、シエンタ(2/3列シート)はともに5ナンバー。3代目となる新型カングーは全長こそ4490mmとさほど長くないものの(シエンタ4260mm、フリード+4295mm)、全幅は堂々たる3ナンバーの1860mm(先代比+30mm)となった。自宅駐車場などの制約で、車幅はなるべく狭いほうがいい……というなら、これはもうフリード+、シエンタの選択しかない。
3車はいずれも両側スライドドアを備えている。国産ミニバンなら今や片側または両側パワースライドドアは当たり前の便利装備だが、カングーを含むフランス勢にはパワースライドドアは未装備。オプションとしても用意されず、付けたくても付けられないということだ。カングーにしても大きなスライドドアだから、ノンパワーの開閉にはそれなりの力が必要となる(慣れれば問題なし)。
こうしたハイトワゴン系のユーティリティカーはアウトドアやキャンプなどにもぴったりだが、となると気になるのはラゲッジスペースの使い勝手だろう。
ここでも日本勢とカングーでは大きな違いがある。それはテールゲートの開き方だ。フリード+とシエンタは一般的な、上下にガバッと開くテールゲートを採用。一方、カングーの日本仕様は先代同様、ダブルバックドアと呼ばれる観音開きドアとブラックバンパーの組み合わせを日本仕様専用(クレアティフグレード)として用意している(新型カングーならではのボディ同色バンパー仕様のインテンスグレードもあり)。
使い勝手としては、フリード+、シエンタの場合、車体後部に1m前後のスペースがないとテールゲートが開けられないデメリットがある一方、アウトドアなどでテールゲートが大きな日除けとなり、ラゲッジフロア後端に腰かけた際、雨や直射日光を防げるメリットがある。
カングーのダブルバックドアは、片側のみでも開くことができる観音開きのため、車体後部にスペースがなくてもテールゲートを開けやすく、荷物の出し入れがしやすいメリットとともに、愛犬家にとっては、ラゲッジスペースに乗せた愛犬を下ろす際、ダブルバックドアの片側だけ開けることで、愛犬の飛び出し防止効果が得られるメリットもあり、ゆえに世界中の愛犬家に愛される1台となっている。が、フリード+、シエンタのようにテールゲートを日除けとして使えないデメリットが、アウトドアでは気になるかもしれない。もっとも、車体後方にタープを張れば解決するが。