この記事をまとめると
■マイカーが夢の存在となりそうである現在、クルマのサブスクサービスが注目を集めている
■サブスクサービスでは「残価」が月額利用料に大きく関係する
■これまでクルマ選びで重要視されていなかったリセールバリューの重要性が高まりそうだ
新車価格の値上がりで注目を集める「クルマのサブスク」サービス
半導体不足、新型コロナウイルス、ウクライナ危機、そして世界的なインフレトレンドなどにより、だんだんとマイカーが、本当に夢の存在となりつつあると感じている人は多いのではないだろうか。モデルチェンジや商品改良にあわせて価格は10%単位で上昇するし、なかには改良もしていないのに価格だけを上げるといった改定が実施されることもあるほどだ。
そうした状況において、注目を集めている新しいクルマの乗り方が「サブスク」スタイルだろう。自動車メーカー系、石油元売り系、金融系などさまざまな事業者が、月額制でクルマを使え、乗り換えにも対応するサブスクビジネスに参入している。
この手の「クルマのサブスク」サービスが、購入よりも安価な負担で利用できるのは残価を考慮した利用料金を設定しているからだ。
中古車販売大手ガリバーを拠点として利用するクルマのサブスクサービス「ノレル」を運営するIDOM CaaS Technologyの代表山畑直樹さんによれば、「残価とは、正しくは『残存価値』といいます。一定の期間が終了した時点でのクルマの価格を指します」ということだ。
たとえば300万円で購入した新車を3年後に買取査定したときに180万円となった、とすると180万円が3年後の残価といえる。サブスクサービスほかリースや残価設定ローンなどでは、差額の120万円を3年間で利用する車両の価値として定め、そこにサービスに含まれるメンテナンスや保険・税金などの費用を含めて月額利用料を算出する。
「残価」は高ければ高いほど、その分月額料金が安くなるというわけだ。
そして、残価の計算は一律ではない。当然ながら残価はユーザーニーズの影響を受ける。人気車であれば残価が多く残りやすい。同じ300万円のクルマの3年後を見ても、人気モデルであれば残価180万円となることもあるが、不人気モデルでは140万円になってしまうこともある。
つまり、残価の高い車種ほど、オトクに乗ることができる。サブスクを利用するにしても残価の高いモデルを選ぶのが、賢いユーザーといえるのだ。