この記事をまとめると
■インドでは「リキシャ」と呼ばれるオート三輪が広く使われている
■多くの「リキシャ」では警告灯が光りっぱなしであったりガラスがひび割れていたりする
■「リキシャ」のカスタムも広まっておりエンブレムを付け替える手法は鉄板のようだ
ドイツ車への憧れは万国共通!?
写真はデリー市でのひとコマ。市内ではいたるところでオートリキシャ(オート三輪タクシー)が走りまわっている。タイのトゥクトゥクは筆者の見ている限りではバンコク中心部や観光地などで、観光客の利用を意識して運行しているように見える。事実、トゥクトゥクのような三輪のタクシーが「サムロー」と呼ばれるのに対し、中心市街地でも、居住地域のような場所では、おもにハイゼットトラックベースの四輪タクシー「シーロー」ばかりが走っている。
それに対してインドのオートリキシャはほぼ地元の人たちの移動の足として生活に密着しているように見える。時代の流れでディーゼルからCNG、そしてBEV(バッテリー電気自動車)へと動力は変わってきているが、その風情のあるスタイルはほぼ変わっていない。
話を写真に戻すと、市内をクルマで移動中に何げなく外を見ていると、1台のオートリキシャが横を通り過ぎて行った、そしてそのリヤを見た時に「あれっ」と思った。
ホロ部分の真ん中あたりに、世界的に高級車として有名なあのブランドのスリーポインテッドスターマークを発見したのである。もちろん、このブランドがオートリキシャを生産しているといった事実はない。単なるドライバーのブランドへの憧れなのか、それともプロドライバーとしての誇りの現れなのかはわからないが、とにかくあのマークが貼ってあった(もちろん正式許諾を受けたものではないだろう)。
ちなみにこの写真には何やら線のようなものが入っているが、これは「インドあるある」で、ライドシェアアプリで呼び出したクルマはほとんどといってもいいほどフロントガラスにヒビや亀裂が入っている。
首都デリー市内ですら「なんとなく舗装道路」みたいな道ばかりで、路上には小石なども多いので、跳ね石の被害を受けているようだ。お客を乗せるライドシェアタクシーだが、フロントガラスはこの亀裂やヒビなどでほぼ強度が失われたまま運行されているのである。さらに計器盤を見ると、運転中にも関わらず各種ウォーニングランプが点灯したままというのも「インドあるある」のひとつ。しかし、道中で故障したといった経験がないのもなんとも不思議なことである。
日本でもハイエースバンのトヨタマークをレクサスマークに代えて乗っている人をよく見かける。いまやBEVで日本でもその存在感を見せる中国・比亜迪(BYD)汽車。15年ほど前にはF3という当時のトヨタ・カローラをコピーしたモデルがあり、カローラではトヨタマークの部分にBYDのマークをつけていたのだが、このBYDマークがトヨタマークとまったく同じサイズで、F3購入後にトヨタマークに付け替えるユーザーが続出した。
マークを付け替えるというのは日本だけでなく、世界共通で行われていることともいえる。付け替えを行う背景にはそのブランドステイタスに対する憧れというものがあるのも間違いないといえよう。