この記事をまとめると
■トラックやバスのホイールは前が凸で後ろが凹の形状をしていることが多い
■後ろにダブルタイヤを採用採用していることがこの光景を生み出している
■トラックやバスの運行上の事情を加味して用いられる
トラックやバスの「ダブルタイヤ」について解説!
知っている人には当たり前で、知らないと意外な発見というのはけっこうある。そのなかのひとつが、トラックやバスのホイールだ。前後で形状が違うというのは、信号待ちなどで横に並んだ際に見ることがあるので、知っている方も多い。具体的に言うと、前輪はホイールのセンター部分が手前に飛び出ていて、後輪は逆に奥まっている。つまり凸凹な感じだ。
じつはこれ、すべて同じホイールだからで、後輪は前輪の方向を裏返しにしているのでそう見える。なぜ後輪は裏返しにしているのかというと、ダブルタイヤだから。ダブルタイヤとは、トラックやバスの大きな荷重を支えるためにタイヤを重ねて装着しているからそう呼ばれ、デュアルタイヤなどという名称もある。
小型トラックでは低床荷台の場合、前後異径ホイールというのはあるが、基本は全部同じサイズとなる。理由はいくつかあって、積載量に影響してしまうため、スペアタイヤは1本にしたいというのが一番大きい。そうなるとダブルタイヤをどうするかと考えた場合、背中合わせに付ければいいということで考え出されたのがダブルタイヤだ。
また、タイヤはコストに大きな影響を及ぼすため、ローテーションを厳密に行うのが基本だ。その際にホイールサイズが違うと入れ替える場所が限定されてしまうというのもある。そもそもリヤをダブルタイヤにする理由は荷重の問題もあるが、1本がパンクしても残りのもう一本でなんとか支えて、安全に停止させることができるというのも理由のひとつだ。
最近はダブルタイヤと同じ幅にした極太のシングルタイヤが登場していて、軽量化に貢献しているが、これだと1本ですべてまかなえるというメリットが薄れてしまうのは事実だ。ちなみに、極太のシングルタイヤの場合でも取り付けるハブに変わりはないので、ホイールは外から見て奥まった形になる。