この記事をまとめると
■ドアロックをせずにクルマから離れるのは道路交通法違反
■道路交通法 第七十一条(運転者の遵守事項)に記載がある
■「停止措置義務違反」の違反点数は1点、反則金は6000円(普通車)
カギのつけっぱなしは「停止措置義務違反」に該当!
自動販売機でちょっと買い物、コンビニでの短時間の買い物、高速道路のSA、PAでトイレ休憩……、こういったときにクルマにカギをつけたまま、なかにはエンジンをかけたままクルマを離れている人を見かけるが、これらは道路交通法違反になる。
道路交通法 第七十一条(運転者の遵守事項)
五
「車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること」
五の二
「自動車又は原動機付自転車を離れるときは、その車両の装置に応じ、その車両が他人に無断で運転されることがないようにするため必要な措置を講ずること」
このように、車両から離れる際、エンジンを切り、サイドブレーキを確実にかけ、施錠するという措置をおこなわなかった場合、「停止措置義務違反」となり、違反点数1点、反則金6000円(普通車)が課せられる。
またエンジンをかけたまま駐車するのは、都道府県の環境確保条例でも禁止されている。たとえば東京都では、「自動車等を駐車または停車するときは、エンジンを停止する(原動機付自転車も対象)」ことを、運転者に義務づけていて、義務違反者には必要な措置をとるように勧告し、勧告に従わない場合、違反者の氏名などを公表すると定めている。
そしてこれらに反し、未施錠のクルマが盗まれ、そのクルマが事故を起こしたとなると、クルマの所有者も管理責任を問われ、事故に対する賠償責任を負う可能性が!
もちろん、盗難車両が事故を起こしたとしても、その責任は運転していた犯人が賠償責任を負うことになるのが基本。
しかし、キーがつけっぱなしだったり、エンジンがかかりっぱなしだったり、ドアが未施錠で、第三者が容易に接触可能な場所に駐車し、クルマから離れていたりすると、所有者に対して運行供用者責任が問われる可能性がある。
こうした場合、自分の自動車保険が使えないこともあるので要注意。というのもクルマの盗難被害については「偶然の事故で無過失」であることが前提となっているからだ。
エンジンをかけたままクルマを離れたり、ドアのカギを閉め忘れていたとなると、「無過失」とはいいがたくなるので、保険金の支払いが困難になってしまうわけで……。
ちなみに、車上荒らしの被害に遭ったクルマの3分の1は「未施錠」で、車両盗難の被害車の4台に1台はキーがついた状態で被害に遭っているので、けっして他人事ではない。
どんなに短時間であったとしても、そして治安がいいといわれる地域であったとしても、クルマを離れる際は、降りる前に必ず窓を閉めて、確実にドアロックをするのを忘れずに。