この記事をまとめると
■ハリアーはトヨタのクロスオーバーSUV
■先代にあたる3代目ハリアーを紹介
■中古車相場についても解説する
スポーツ仕様もあった3代目ハリアー
2020年6月に登場したハリアーは高い人気を保ってはいるものの、世界的な半導体不足の影響を受けて納期はガソリンモデルで約半年、ハイブリッド仕様では1年以上になるといわれています。
そこで注目したいのが旧型となる3代目ハリアー。現行モデルに用意されない2リッターターボエンジンを搭載するスポーツ仕様も用意された旧型ハリアーについて、どのようなクルマだったかを掘り下げていきましょう。
クロスオーバーSUVの元祖ハリアー
国内はもとより世界的に人気を集めるクロスオーバーSUV。メルセデスベンツやBMW、またポルシェやランボルギーニといったスポーツカーメーカーまでが数多くのモデルをラインアップしています。
そんなラグジュアリー・クロスオーバーSUVの元祖といえば1997年に登場した初代ハリアー。高級サルーンとSUVを融合させる新たなセグメントを構築しました。
個性的なフォルムと新しい価値観を備えた初代は発売後、国内外で大ヒット。新たなプレミアムカーとして幅広い層から支持されています。
その後、2代目、3代目とフルモデルチェンジされていき、2020年に現行モデルとなる4代目が登場しました。
今回、テーマとなる3代目は2013年から2020年まで販売。歴代モデル同様に高い人気を誇り、モデル末期となる2019年でさえ国内で4万台以上が販売されています。
3代目ハリアーの特徴
プラットフォーム
3代目の大きな特徴となるのがレクサスRXとは異なるプラットフォームを採用したこと。そもそもレクサスRXは初代、2代目ハリアーのレクサスブランド版でしたが、3代目は4代目RAV4と同じ新MCプラットフォームをベースに開発されました。
その結果、先代からボディサイズは全長が15mm、全幅は10mmほどダウンサイジング。ホイールベースも55mmほど短くなっていますが、前後席間距離は12mm拡大。さらにシートバックの形状を最適化することで、後席膝前空間が47mm広くなっていることに注目です。
また北米での人気が高かったことで日本では使いにくいサイズだった2代目から、国内市場を重視するパッケージングを得た3代目は、ヒップポイント地上高などが日本人の体格に合わせ設定されたことで、乗降性などが向上。使い勝手が高まっていることも3代目が人気を得た理由といえます。
使い勝手という面で取り上げたいのが、ドライビングポジション。2代目と比べて30mm下げられた着座位置ではありますが、視界は抜群。視認性が良いドライビングポジションや視界の良さから、車両感覚が掴みやすく取り回しが良いことも大きなメリットです。
最小回転半径は5.4~5.7mとまずまずですが、市街地走行時に取り回しにくさを感じることはないでしょう。
パワーユニット
3代目のデビュー時に用意されたパワーユニットは、2リッター直4ガソリンと2.5リッターハイブリッドの2タイプ。
最高出力151馬力を発揮する3ZR-FAE型2リッター直4エンジンは吸気側・排気側両方に可変バルブタイミング機構を装着することで圧縮比を高め、低回転域からパワフルな特性を実現。
ハイブリッドシステムは9代目カムリに搭載されていたTHSIIシステムをベースに改良したものを採用。システム最高出力は197馬力を誇ります。
この2つに加えて2017年のマイナーチェンジで、2リッター直噴ターボエンジンを新たに追加。
231馬力とシリーズ最高の出力を誇る8AR-FTS型ターボエンジンは、ツインスクロールターボに可変角を拡大したDual VVT-iを組み合わせることでパワーアップはもちろん、低回転から大きなトルクを発生させることを実現しました。
3つのパワーユニットを用意した3代目には、それぞれ異なる走行フィールや乗り味が備わっており、専用の足まわりを装備したターボ車はやや硬め。鋭い加速とレスポンス性能を得られるスポーツ仕様に仕上がっており、あらゆるシーンで高い動力性能を発揮するのが特徴です。
またハイブリッド車は重厚な乗り心地で、とくに高速道路ではどっしりとした安定感を実現。ガソリン車、とくに17インチ装着車は快適性を重視した乗り味に仕上げられています。
デザイン
いま見ても古さを感じない3代目のエクステリアデザインは「ジェット戦闘機が持つスピード感」をテーマに構築。とくにスピード感が備わったフォルムを実現すべくデザインされていましたが、同時に艶やかさも追求しました。
グリルと一体化された薄型ヘッドランプや、フロントオーバーハングを長くとり前進感も備えた3代目のエクステリアデザインはスタイリッシュに仕上がっています。
また、「モダンリビングとそこに相応しい高級オーディオ」をテーマにしたインテリアのデザインも、エクステリアに負けず劣らず魅力的。
水平基調ながらも、インパネの中央部は存在感をもたせ垂直ラインを強調。高級感と先進性が共存したデザインは、これぞ上質空間と多くの人を感心させました。
ちなみにガラスパネルを搭載したナビ画面はトヨタ車として初めて採用しています。