この記事をまとめると
■ディーゼル車の燃料、軽油は凍ることがある
■季節や地域に合った軽油を選ぶべきだ
■万が一、軽油が凍結してしまった場合の対処法も解説
軽油は季節や地域によって使い分けられている
立春を過ぎてもまだまだ寒い日本列島。そして寒さといえば、近年販売台数が増えているディーゼル車の燃料、軽油は寒さで凍ることがあるのはご存じだろうか?
軽油は外気温が低くなるとシャーベット状になり、流動性を失って燃料フィルターやインジェクター内で目詰まりを起こすことがある。こうなると、エンジンは始動しづらくなり、一時的に走れなくなることがあるので注意が必要だ。
軽油の凍結を防ぐには、凍結しにくい寒冷地用の軽油を給油するのが基本。一言に軽油と行っても、流動点の違いにより、JIS規格(JIS K 2204)では、特1号から特3号まで5種類に分かれた軽油が流通しているからだ。
流動点とは、原油や石油製品の低温での流動性を示す指標で、次のように分類され、季節と地域によって使い分けられている。
軽油の種類 流動点
JIS特1号 +5℃以下
JIS1号 -2.5℃以下
JIS2号 -7.5℃以下
JIS3号 -20℃以下
JIS特3号 -30℃以下
簡単にいえば、夏場は1号または特1号、冬場は2号、寒冷地は3号、真冬の北海道だと特3号が売られていると思えばいい。
だったら冬場は全国一律で流動点が低い、凍結しにくい軽油にすればいいのでは、と思うかもしれないがそうもいかない。というのも流動点が下がると、セタン価も下がってしまうからだ。
セタン価とは、ガソリンでいえばオクタン価のようなもの。自己着火のしやすさ、ディーゼルノックの起こりにくさを示す数値であり、セタン価が下がると、始動性が悪くなり、燃焼効率も落ちるので、エンジン出力や燃費性能の低下を招いてしまう……(1990年代に流行ったプレミアム軽油は、セタン価向上剤を添加してセタン価をノーマル軽油+3程度高めたもの。黒煙を減少させるなどの効果を謳った)。