この記事をまとめると
■日・独・伊・英の小粒で速いスポーツハッチを比較
■パフォーマンスの指標としてパワーウェイトレシオを算出
■4WDモデルなどもあるが「小粒=軽量」も重要な要素と考えFF車のみをエントリー
パワーウエイトレシオの低いクルマは楽しい!
日本には「山椒は小粒でもぴりりと辛い」ということわざがある。これは文字どおりに山椒が辛いという話ではなく、体は小さくとも高いパフォーマンスを持っている人は侮れない、という意味合いで使われる。
ここでは、そんな「山椒」のような魅力を持つ、FFコンパクトカーを「日独伊英」の4カ国を代表するモデルからピックアップして紹介しよう。
FFホットハッチの日本代表といえば、言わずもがなの「スズキ・スイフトスポーツ」だ。標準モデルに対してワイドなボディに1.4リッター4気筒ターボを搭載。そのスペックは最高出力140馬力、最大トルク230Nmとなっている。
6速MT車の車両重量は970kgだから、重量を馬力で割って算出されるパワーウェイトレシオは6.93となる。1.2リッターエンジンを積む標準グレードは910kg、91馬力でパワーウェイトレシオはきっかり10.00となっているのと比べると、ピリリと辛いと表現するにふさわしいパフォーマンスを持っていることは理解できるだろう。
こんなホットハッチが200万円少々で売られているのだから日本のユーザーは幸せだ。
とはいえ、世界は広い。さらにピリリと辛みの効いたホットハッチが存在している。
ドイツ代表としてチョイスしたのはVWのポロGTI。7速DSGと組み合わせられるエンジンは2リッター4気筒ターボ。最高出力207馬力、最大トルク320Nmを発揮する。車両重量は1310kgと小粒と呼ぶには少々メタボな気はするが、パワーウェイトレシオは6.33とスイフトスポーツをゆうゆうと凌ぐレベルにある。
ちなみに、1リッター3気筒ターボを積むポロの標準グレードは1160kgで95馬力といったスペックなのでパワーウェイトレシオは12.21。GTIがいかに別世界にいるか数字が示している。もっともポロGTIの価格は411万3000円~の設定となっているので、コストパフォーマンス的に判断すれば価格なり、といえるかもしれない。