この記事をまとめると
■スズキ・ジムニーをメルセデス・ベンツGクラス風にカスタムする場合のツボを聞いた
■エアロオーバーでは、ボディに新たな穴を開けることなくパーツ装着できるように工夫している
■「G 62」の車名は「ジムニー」の駄洒落だった
デイテールへのこだわりが「らしく」見えるツボ
古くはワゴンRをシボレー・アストロ風に! といった故事もあったとおり、スズキの軽は絶好のカスタムベース。現行ジムニーをメルセデス・ベンツのGクラス風に! というカスタムもすっかり定着したが、それにしてもどうして「らしく」見えるのか? そのツボを大阪オートメッセ2023に出展した「エアロオーバー」のスタッフに尋ねてみた。
「ウチのキットは大きなパーツから揃えてもらうところから、というバンパーとグリルの3点に加えてフェンダーまで付けると、全体のシルエットがGっぽくなります」
現行Gクラスのオーナーからとくに感心されるディテールというのが、フェンダー下端をエグって前後バンパーに繋げる部分。フェンダーはノーマルのビス穴を使うが、ほかにも特徴的なボンネット上のバルジなどを、エアロオーバーのジムニー用キットでは上から貼り付ける。ほかのパーツもエアロオーバーはビス穴を新しく開けることはせず、強力両面テープなどで装着できるように作っているという。
「このサイドモールを付けると、グッとGの感じが出ますね」
キー穴やドアハンドルをわざわざ跨いでボディサイドを貫くラインを作り出すのは、もちろん両面テープ装着だ。
ボンネット上のロゴは、ローリエの葉で囲まれたメルセデスのスポーツタイプの伝統的なマスコットを模しつつ、さりげなくGをあしらっている。
「いまどきは、ボディに穴を開けるとディーラー保証が受けられなくなるのを皆さん、気にされますからね。それにジムニーの場合、女性が自分でドレスアップしたいから、という需要も多々あるんです」
実際に現行Gオーナーの夫婦が、ご近所用にわざわざジムニーやシエラをGカスタム仕様に仕立てて、奥様が小さくて走りやすいから喜んで乗っているケースも少なくないという。
また、ジムニーのカスタムホイールは、オフローダーらしくホイールセンターが張り出したタイプが多いが、オンロードでの走行性を重視したリアルのG 400 dやAMG G 63と同様、フラットスポークのタイプを選ぶとベターだという。
エアロオーバーのデモカーにはしかも、片側2本出しの両サイドマフラーが迫力を醸し出している。
「これはホント、ウチ独自のノウハウで車検対応のサイド出しマフラーなんです。サイレンサーを下まわりの真ん中近くに収めるために苦労してます」
そのため、最低地上高はいくらか失われているのはご愛敬。さらに、リヤにまわり込むと周辺部がシルバーではなくブラックアウト仕様となったタイヤケースが装着され、センターはもちろんスズキのロゴだ。このタイヤケースを好んで、単品でも装着していくオーナーが少なくないとか。
ところで車名ロゴの「G 62」というのは?
「それ、ウチの社長の考えた洒落なんですよ、<ジムニー>っていう」
おあとまで完璧によろしいようで!