この記事をまとめると
■日産自動車大学校の生徒が製作したクルマを大阪オートメッセにて展示
■ムラーノにフェアレディZのパーツを移植したコンセプトカーだ
■ナンバーを取得しており公道走行も可能
最新のフェアレディZがまさかのSUVに!?
1月に発表して以来、YouTubeでも大バズりしている日産京都自動車大学校のカスタマイズコースが制作した「フェアレディX」がついに完成。
晴れてナンバーも取得し、今回の大阪オートメッセ2023には自走で会場入りした。
この「フェアレディX」は、若い頃スポーツカーに乗っていた40~50代のお父さんに捧げるクルマがコンセプト。家族のために実用性の高いクルマを選ばざるを得ないお父さん世代に、SUV化したRZ34を提案した形だ。
ベースはTZ51ムラーノで、フロントまわりのフェンダー、ボンネット、バンパー、ライトをはじめ、テールレンズ、リヤスポイラーなどはRZ34の純正部品を流用。RZ34の新車デリバリーが遅れまくっていることもあり、パーツの入手にも時間がかかったそうだが、フィッティングはじつにレベルが高く、まるでメーカーが作った量産試作車のような完成度で仕上がっている。
よく見ると、リヤゲートはRZ34のテールレンズが一体で開閉できるよう、カットラインをかなり加工。
フェンダーも、発泡ウレタンでボリュームを出して、その上にFRPを貼って平滑な面を出している(フェンダーは片側+7センチ!)。そのワイド化したフェンダーのなかに収まるのは、12Jのホイールに345のぶっといタイヤ! ポルシェのマカンやランボルギーニのウルスのような、スーパーカーのSUVを意識したタイヤチョイスだ。
インテリアも凝っている。ステアリングはZ純正を流用し、もともとベージュカラーだった内装は黒を基調に塗り直し、要所要所にアルカンターラを貼っている。
運転席と助手席はレカロからの協賛だが、このレカロシートに合わせてリヤシートも表皮を貼り直し(オートメッセの搬入前日に完成)。
その他、ドアハンドルはR35GT-Rの純正品を流用。SUV化して広がったフロントバンパーの開口部に合わせ、R35のフロントグリルを入れて、ZだけではなくR35の成分も上手に取り込んでいるので驚きだ。
そのフロントグリルには、(オートサロン2023のときにはなかった)「フェアレディX」のエンブレムも!
「フェアレディX」の「X」には、クロスオーバーという意味と、数学的な未知数の意味を込めたという。
ボディカラーもRZ34カスタマイズドプロトのグランプリオレンジ改を生徒が独自に調色してペイント。
車体寸法や強度計算、電装品関連などの問題をクリアし、2月3日、節分の日に車検もクリアしている。
同校のカスタマイズ科4年生、13名が6カ月かけて完成させたフェアレディX。その発想から加工まで、熟練のプロ顔負けの仕事っぷりだった。