この記事をまとめると
■2022年の販売台数1位とミニバン年間販売台数1位をそれぞれホンダのN-BOXとフリードが獲得
■両車に共通しているのは日本市場のために開発されたコンパクトなスライドドア車
■ライバルの後塵を拝しているフィットやステップワゴンの活性化につなげたい
年間とミニバンの販売台数でトップになったホンダ
2023年の1月上旬、2022年暦年(1月~12月)の新車販売が、全国軽自動車協会連合会や日本自動車販売協会連合会から発表された。例年、注目されている「日本でもっとも売れた新車」となったのはホンダN-BOXで、年間の販売台数は20万2197台。登録車1位のトヨタ・ヤリス(16万8557台)を大きく引き離して2020年以来のトップに返り咲いた。
ホンダのコンパクトミニバンである「フリード」も2022年暦年での販売台数が6万1963台となり、ミニバンカテゴリーのトップとなった。トヨタ・ノア/ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴン、日産セレナといったMクラスミニバンが相次いでフルモデルチェンジのため生産調整をしたことが、フリードの販売において有利に働いた部分もあるかもしれないが、コンパクトミニバンのライバルであるトヨタ・シエンタを抑えて堂々初のミニバントップとなった。
はたして、この事実をもってホンダのクルマは日本市場で高く評価されているといえるのだろうか。
N-BOXとフリードに共通するのはスライドドアのコンパクトカーであることだが、さらに深掘りすると日本専用設計をされているモデルともいえる。軽自動車のN-BOXは当然ながらプラットフォームやパワートレインからして日本市場にフォーカスして作られている。
フリードについて、巷ではフィット系プラットフォームを用いたミニバンと言われることも多いが、実際に開発陣に聞くと、フィット系のようでほとんど専用設計になっているという。とくに運転席から後ろのフロアパネルは大きく異なっており、その部分がフリードの持つミニバンとは思えないハンドリングの良さを生み出している。そしてフリードは実質的に国内専用といえる。
N-BOX、フリードともに日本市場のために生まれたモデルなのである。