この記事をまとめると
■昔のクルマには「味」があると言われることがある
■いまのクルマと比べて不便な部分が旧車の「味」となっていることも
■デザインがチャレンジングであったこともその理由のひとつ
不便な部分が「味」だと感じられることも!
旧車好きがよく言う古いクルマに存在する「味」というもの。これはなかなか数値化するのは難しい部分であり、感じ方もユーザーによってさまざまというのが本当のところ。ただこの味というものは、旧車ならではの特徴に紐づくものであることが多いのだ。
たとえば乗り味。最近のクルマでは軽自動車であっても非常に上質な乗り味のものが増えてきており、乗り心地の面で我慢を強いられるというシーンは珍しくなってきている。
スズキ・アルト(9代目)の走行写真画像はこちら
一方、旧車においてはまだまだ足まわりについても現行車ほど完成されていないものが多く、その一見するとマイナスにも感じる乗り心地も味ということになるワケだ。
日産・レパード(2代目)の走行写真画像はこちら
もちろん乗り心地だけでなく、始動時にもクセのあるエンジンやパワステの備わらないステアリングなど、不便と思われてしまうような部分も現行車には存在しない味ということになるのである。
日産・スカイライン(2代目)のインテリア画像はこちら
また、内外装のデザインについても現在のクルマとはまったく異なるスタイルを纏っているのも味と言える。現代のクルマはさまざまな解析などによって空力特性の高いデザインなど、ある意味正解がハッキリしているのだが、当時はそこまでの技術が進んでいなかったため、チャレンジングなものが多く存在していた。
そして、昔は今ほど安全性能における基準が厳しくなかったため、今では法的に実現不可能なスタイルであることも味と言えるだろう。
トヨタ・2000GTのエクステリア画像はこちら
つまり、旧車における味とは、あえて不便さや、現在では実現不可能なデザインを楽しむというところにあるということになる。言うなれば今、フィルムカメラやレコードを愛用している人たちのようなものかもしれない。
とはいえ、もちろん今のクルマにも味は存在しているのだが、昔のクルマの味は非常に濃いものであるがために、昔のクルマの方が味があったという感覚に陥っているということなのだろう。