この記事をまとめると
■ガードレールの端の丸まった部分は「袖ビーム」と呼ばれる
■袖は両端、ビームは梁のことを指している
■袖ビームの決まりや役割について解説
「袖ビーム」とはガードレールの端の丸まった部分
SNSが発達したからか、マニアの深度はどんどんと深まっている気がする。クルマでもいろいろとあって、単なるクルマ好き、運転好きだけでなく、こんなものまで!? と驚くようなことやモノを趣味の対象としている。
そのなかで、かなりマニアックなのが道路施設系だ。信号や道路標識などを対象にしているが、けっこうな数がいるように思えるのが、ガードレールだ。
路肩にあるただの白い鉄の柵だろうと思ってしまうが、とくに趣味の対象となっているのが両側の丸まった部分だ。名称もちゃんとあって、建設や工事業界でも袖ビームと呼ばれている。確かに響きは変わっているというか、可愛い感じがするが、なんと京都大学には袖ビームの同好会もあったりするほど。袖ビームの意味はというと、袖は両端のことで、ビームは光線ではなくて、梁のことを指している。
法律的には袖ビームの形状に決まりはなくて、「両端をちゃんと処理するように」と定められているのみ。あとは、高さ70センチというガードレール自体の規格に合わせて作られているだけで、そのため、よく見かける金属製のほかに樹脂製やゴム製もあるにはある。ただ耐久性の問題などで広く採用はされていないが。
効果としては歩行者が怪我をしないようというのは容易に想像できること。そのほかにもメリットはあって、たとえば道路が鋭角に曲がっている際、安全面などからガードレールの板をその角度に曲げて使うことはできない。だから曲がっている部分に袖ビームを使うことで、鋭角に曲がった道に沿って、連続してガードレールを設置することができるのだ。
この袖ビーム、名前は愛嬌があるし、我々の安全を守ってくれる重要なものなのだが、最近は受難の時代となっている。なぜかというと、盗難が多発しているからで、金属の価格が高騰している昨今、外しやすい袖ビームが百枚単位で大量に盗まれているのだ。外したままだと危ないので改修されるが、費用は我々の税金だったりするわけで、こんなものまで盗むなと言いたい。