残価設定ローン終了時に乗り替えられない! 納期遅延が生み出した新たなる問題 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■現在の新車購入事情について解説

■アメリカでも納期遅延が発生している

■日本では納車から1年で乗り換えの提案をしているディーラーも

アメリカでも納期遅延が発生

 “新車の深刻な納期遅延”、すでに聞き飽きたといった人も多いフレーズだが、これは何も日本だけの問題ではない。アメリカでも日本のように1年以上待たなければならないといったような長期間ではないものの、納期遅延が発生している。そもそも、新車が欲しくなったらディーラーへ出かけ、ディーラーが敷地内に大量にストックしている車種のなかから試乗などをしてお気に入りを決めて契約となったら、その日のうちに乗って帰ることができたのがアメリカの新車の買い方(いまはコロナ禍を経てオンライン販売がかなり普及しており、新車を自宅へ届けるデリバリーサービスもあるので、必ずしも店頭に足を運ぶ必要なく新車は買える)。

 この新車の買い方がほぼ崩壊しているというのである。日本では“注文書”と呼ぶように、ディーラーと注文書を交わすと、メーカーの販売代理店であるメーカー系正規新車ディーラーがメーカーへ当該車両の生産を発注し、完成車がディーラーに配車され、エンドユーザーへ納車される、“受注生産販売方式”が大前提(人気車はディーラーストック車両を販売するようになってきているが、いまはディーラー在庫車があってもほんのわずか)。

 しかし、アメリカではディーラーが仕入れた(メーカーがほぼ一方的に完成車をディーラーに届ける)新車のなかから選び、新車を手に入れるところが大きく異なる。現状のアメリカでは、店頭在庫も少なくなかなか在庫車からお気に入りのモデルを探すのが難しい。そこでお客がリクエストを出し、ディーラーがメーカーから配車される予定リストに希望車があれば販売するスタイルが主流とのこと。「納期を早めるために、“この色でこの仕様なら納車早いですよ”とディーラーが誘導することも珍しくありません」とは事情通。

 あくまでメーカーから配車される車両のなかから選ぶことになるので、日本ほどは深刻な納期遅延とはなっていない。また、現状では大量の在庫を抱えないなかで新車販売ができているので、ディーラーとしては経営状態もよく、今後はいまの流れ、つまり買ったその日に乗って帰ることはできないという点では、ある意味“日本式”に近い新車販売スタイルになるのではないかといわれている。

 また日本ほど状況が悪化しない背景には、リースで乗っている人が多いこともあるようだ。「アメリカではリースアップ時期から納期を逆算し、前倒しで新車の入れ換えを検討する動きになっています。リース契約満了に間に合わなければ面倒なことになりますからね」(事情通)。

 日本ではここのところ残価設定ローンにおいてアメリカのような心配をする声が聞かれるようになった。たとえば大人気ミニバンのトヨタ・アルファードが高額なミニバンであるのは周知の事実。中古車でも国内外を問わずに人気を博しリセールバリューも高いので、新車購入時の残価設定ローンの5年払いでの設定残価率は55%ほどとも聞いている。現場のセールスマンに聞くと、「グレード選択などでプランは異なりますが、売れ筋モデルで残価設定ローンを組むと、最終支払回分として据え置かれる残価は240万円ほどになります」とのこと。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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