この記事をまとめると
■レクサスGS450hの魅力を解説
■レクサスで初めてハイブリッド車を設定したモデルだった
■2020年に生産を終了したため、現在はラインアップされていない
プレミアムスポーツセダンとして人気だったレクサスGS
LSやISとともにレクサスの中核モデルとして販売されてきたGS。ただし、2020年に生産中止となってしまいました。
プレミアムスポーツセダンとして人気があったGSは、レクサスブランドにおいて最初にハイブリッド車を設定したモデルでもありました。
今回は3代目GSに設定されたGS450hを深堀りしていきたいと思います。
日本初のレクサスハイブリッド車「GS450h」とは
アリストから発展していったレクサスGSの3代目が登場したのは2005年。国内販売されるレクサスブランドの第一弾として登場しました。
3代目のデビューから1年後の2006年、レクサスブランド初のハイブリッド車として追加されたのが初代GS450hです。大型セダンにハイブリッドユニットを搭載したことで世界的に注目を集めました。
すでにプリウスを始め多彩なモデルで量産ハイブリッド車の開発ノウハウを備えていたトヨタでしたが、FR車となると別物。FR系縦置きレイアウトの中で、ガソリン車と同じトランスミッションのスペースに収まるハイブリッドユニットを実現するには苦労を重ねたといいます。
そもそもGSはレクサスブランドにおいて、ドライバーズセダンを担うモデル。GS450hも燃費を重視するのはもちろん、モーターのリニアな加速を味わえるなど新世代のプレミアム・スポーティセダンに仕上がっていました。
主要諸元
3代目GSのボディサイズは全長4830mm、全幅1820mm、全高1425mm。GS450hのボディサイズも変わりません。
ハイブリッドユニットを備えた450h以外にも、4.3リッターV8エンジンを搭載するGS430、3.5リッターV6エンジンを搭載するGS350をラインアップしていました。
エンジン出力はGS430が勝りますが走りは上質さを重視したセッティングを備えており、スポーティでやんちゃな走りを実現していたのはGS350でした。
システム出力345馬力の超加速
前記2車に対してハイブリッドユニットを備えたGS450hはパワフルさと高級車にふさわしい上質な走りを兼ね備えた、いわば両車の“いいとこ取り”をしたモデルでした。
2GR-FSE型3.5リッターエンジンに電気モーターを組み合わせ、システムのトータル出力は345馬力を発揮。GS430が搭載するV8エンジンの最高出力は315馬力、GS350のV6エンジンは280馬力でしたのでGS450hのパワフルさが出力の違いだけでもわかると思います。
とくにモーターの加速感は圧倒的。GS450hは0-100km/h加速が6秒を切るほどレスポンスが鋭い走りを実現していたのです。
コンパクトカー並みの低燃費
GS450hの魅力は優れた走行性能だけではありません。燃費性能も優れており18.2km/L(JC08モード)。この燃費性能は同時期に発売されていたコンパクトカー並みの低燃費でした。
ちなみにこの時期販売されていた日産ティーダ(初代)やノート(初代)の燃費は17.6km/L。2代目ホンダ・フィットは18.3km/L(いずれもJC08モード)でしたので、いかに優れた燃費だったかがわかります。
先程もお伝えしたようにGS450hに搭載されたハイブリッドシステムはプリウスとは違い、FRエンジン駆動系縦置きレイアウトです。ただ、システムの基本はプリウスが搭載するTHSと同様。
システムの基本はエンジンと2つのモーターを遊星ギヤで連結。状況に応じてモーターのみの走行からモーターとエンジンを組み合わせた走行、そしてエンジンで走行しながら発電機で充電するなど、走行条件に応じて柔軟に切り替えるシステムです。
当然、エンジンのトルクはプリウスより大きいことでドライブトレーンの構造は変更されていますが、燃費を削減するシステムであることは変わりません。
ハイブリッド車ならではの乗り心地
GS450hが高出力のエンジンに加えたモーターの加速、また燃費の良さを備えていることをお伝えしましたがハイブリッド化による恩恵はそれだけではありません。
モーターのみで走るEV走行を行うことで、高級車に要求される圧倒的な静粛性を実現。また加速時などエンジンとモーターを組み合わせた走行時にはアクセルを踏み込むとレスポンスが鋭く、しかも圧倒的な加速感がどこまでも持続することを体感できます。