脇見運転は厳禁だが「運良く」渋滞していれば首都高から桜が自然と目に入る
3本ある靖国神社の標本木の桜が5から6輪咲いて、2017年、東京都心の開花宣言が出たのが3月21日だった。例年より5日も早い開花にもう春が来たと思ったが、その後、寒い日が続き桜の開花が遅れていた。都内は昨日(2017年4月2日)の晴天で一斉に桜が咲き始め、日曜日は上野恩賜公園ではお花見宴会が絶好調だったようだ。
僕は桜見物が大好きで、とくに皇居の堀の外側にある千鳥ヶ淵の桜が一番だと思っている。本日、2017年4月3日の月曜日は早起きして、まず墨田川の桜をチェックしたら、ここはまだまだで大半が蕾のまま。3分咲とも言えないくらいで心配したが、千鳥ヶ淵にいくと5分咲きくらいで、もうすぐ満開だ。
隣の靖国神社は5分咲きとも言えないくらいでまだまだ。日当たりの差だろうか、横を走る靖国通りの桜は見事で、7分咲きか。市ヶ谷方面から車で走ると、両側が桜、九段下方向のずっと先に、スカイツリーも見えて、今絶景だ。いつもなら渋滞が気になるが、今だけは少しの渋滞を期待してしまう、という身勝手さに自分でも少し恥ずかしい気分。
渋滞歓迎、の気分になるのは首都高速の都心環状線(C1)の代官町出口付近だ。新宿方面から走ると千代田トンネルを抜けて左手に広がる桜が「千鳥ヶ淵」なのだ。千鳥ヶ淵側からの景観保存のため、この付近の首都高速は低く作られているという。
全長14.8㎞の環状線は空いていると1周15分程度で走れる。中央環状線の完成で、郊外に抜けるクルマが都心環状線を避けるようになって、ずいぶんと渋滞が緩和されたのだが、この辺りはまだまだ渋滞が多く、普段は憂鬱になる。
しかし、この季節だけは、少しの渋滞は気にならない。勝手なものだが、この季節、首都高速のあちこちで桜が咲き乱れる。防音壁が増えて景色が悪くなったが、こんなときにはドライビング・ポジションの高いワンボックスに乗りたくなる。もしものことを考えると、運転支援付きの日産セレナあたりがピッタリ。といっても「桜見物、よそ見運転」をおすすめしているわけじゃない。
桜の話とは離れてしまうが、首都高速のことになると、どうしても言いたいことがある。制限速度だ。現在首都高速道の8割が制限速度50㎞/hまたは60㎞/hになっている。深夜の空いている時間帯に、制限速度を守って走るとどうなるか。取材のために、今まで何度か実験してみたことがある。
その結果、「制限速度で走るのは自殺行為に近い」という結論に達した。何しろ深夜の首都高速道路は、平均的に100㎞/hくらいの速度で全体のクルマが流れに乗っている。
その流れのなかを時速50㎞/hで走ると、すぐにパッシングされたり、クラクションを鳴らされる。当たり前だ。追突される危険性が大きすぎる。道路を走るクルマは、自然に安全で速い速度で流れているのが普通だからだ。
そこを縦横無尽、制限速度関係なしに走り回る「PRESS」トラック。新聞配送用のトラックだ。取材活動をするわけではないから「PRESS」ではない。だれが始めたかわからないが「新聞輸送は特権である」とでも思っているのだろうか。
地方から来た人や初心者は「深夜の首都高は怖い」と言う。そのとおりだ。時間差の速度制限を含め、実際の交通の流れと安全をみこして対策をして欲しいのだ。
ともあれ、これから1週間以上、東京都心は桜の花で盛り上がっている。クルマでお出かけの人は、早朝はくれぐれもお気をつけて。