この記事をまとめると
■電気自動車の充電は200Vの専用コンセントか充電スタンドで行うことが推奨されている
■200Vは馴染みが薄いがじつはどの家庭でも配線が可能な状態になっている
■コンセントや充電ポール設置は専門業者に任せ、その際に電力契約も見直すのがおすすめだ
EVは自宅で普通充電しておくのがデフォルト
基礎充電と呼ばれ、自宅や勤務先など事業所での電気自動車(EV)への普通充電は、200ボルト(V)の専用コンセント、あるいは充電スタンドで行うことが推奨されている。戸建て住宅やマンションなどでは、門灯や散水用などとして、100Vの屋外コンセントを設置している場合がある。それを利用し、たとえ充電時間が余計に掛かっても100Vで充電すれば、余計な電気工事費がかからないとの考えが浮かぶかもしれない。100V用の充電ケーブルも発売されているからだ。しかし、既存のコンセントと充電ケーブルの差込口のピンでは形状が異なる場合があるので、確かめる必要がある。
また100Vのコンセントを使うと、屋内での消費電力量によっては、EVへの充電が加わることにより使用電気量が増えてブレーカーが落ちる懸念もある。EVへの充電を自宅で行う際は、帰宅後など夜間の機会が多くなるはずで、その時間帯は家庭内で電灯の明かりを使い、調理や空調、あるいはテレビを観たりパーソナルコンピュータを使ったりと電力消費が増える可能性がある。200Vであれば就寝時間中にかなりの充電をこなせるが、100Vではより時間を要するので、生活時間と重複する可能性が高まる。そこにEVの充電が追加されると、電気使用量が限度を超えてブレーカーが落ちやすくなるのだ。
そこでEV専用のコンセントを設置するのが安心で、そうするなら、200Vのコンセントで充電するほうが余計な時間を要せず、就寝時間程度で満充電にできるはずだ(ただし、車載バッテリー容量による)。また、毎日充電しなくても済むEVの利用であれば、常に満充電にしておくよりリチウムイオンバッテリーの劣化をより抑えることにもつながる。
200Vはなじみが薄いかもしれない。だが、たとえば広い部屋への空調には効率の高い200Vの機器を設置することがある。したがって、どの家庭にも配線が可能な状態になっている。そして屋内の配電盤から充電用200Vの配線を駐車場へ引き、200Vのコンセントを設置することができる。
設置工事は、専門の業者に依頼するのがいいだろう。配線が長くなれば抵抗が増え、消費電力に無駄が出る。建物の立地を見ながら、床下を通すなど工夫を凝らし、最短距離で配線してもらうことを慣れた業者なら見極めることができる。
コンセントや充電ポール設置の際には、電力契約も見直すとよいかもしれない。一般的には、従量Bと呼ばれる一般家庭での電力契約になっているはずだ。それでも、たとえばIH(電磁誘導加熱)クッキングヒーターなど含め、電気製品の利用量が多いオール電化の家庭では、従量Cの契約にしている場合がある。EVの充電を行うなら、従量Cへの契約変更も検討材料のひとつだ。
また、夜間電力料金を安く設定する契約などもあるので、暮らし方とEVの使い方を含め、これを機会に電気契約の見直しもしてみてはどうだろう。