この記事をまとめると
■国産車の「ハードトップ」の名車をプレイバック
■ハードトップは1980〜90年代までに大流行し、各自動車メーカーがラインアップしていた
■ホンダは4ドアと2ドアで設計がまったく違うモデルをリリースしていた
懐かしきハードトップの名車を振り返る
「ハードトップ」という言葉、ガキの頃に覚えたクルマ用語でしたが、最近はあまり聞かなくなりました。そもそもはソフトトップ(カブリオレ)に相対するネーミングで、1920年代には使われていたそうです。その当時はソフトトップが主流でしたが、ハードトップは「スタイリッシュ」とか「便利」という評判がたち、次第にメジャーとなっていくのでした。評判は現代まで連綿と引き継がれ、ガキだった筆者にしても「おとなりさんのマークⅡハードトップ、カッケーなー」などと鼻水まじりで語ってた記憶があります。てことで、独断と偏見だけでハードトップ、1980~90年代しばりでチョイスしてみました!
スバル・レオーネ1800RX(2代目)
スバルほどハードトップ好きなメーカーはないんじゃありませんかね。このレオーネはもちろん、レガシィやインプレッサもずっとハードトップをラインアップし続けてますからね。だいたい、ハードトップが廃れたのは1990年代に入ってから側面衝突に対する安全性能に「ダウト」が叫ばれたというのが定説ですが、スバルにとっては「は? 側突……ですと?」てな感じなのでしょう。
とりわけ、この2代目レオーネのサイドビューの美しさというか、人懐っこさは筆者だけでなく日本人全般に刺さるものではないでしょうか。さほどスムースなラインではなく、しっかり抑揚がつけられ、それでいて「小ぢんまり」としたまとまり感は、欧州車デザインすらも凌ぐではないかと。
ウインドウのスタイルも1970年代に設計されたわりには凝っていて、Cピラーの埋め込みガラスなどシャープでエレガント! ほんと文句のつけようがないカッコよさ。もっとも、ご近所で乗られていた同車は、動き出すたびに「グギギ」とかすかなメカノイズが聞こえたりして少年の脳裏には「サビてんのか」とうっすら懐疑の念も浮かびましたけどね。
日産 スカイライン(2000ターボRS)
スカイラインには数々のハードトップモデルがありましたが、あえてDR30をチョイス。「史上最強のスカイライン」というキャッチフレーズや、ペットネーム「ニューマンスカイライン」も有名ですが、やっぱり「西部警察に出てきたスカイライン」というのがもっとも鮮烈な記憶としてよみがえってくれるのです。
劇用車はボンネットフード上のエアスプリットや、独特の回転灯でもってかなりのカスタム感がありましたが、どっこいノーマルボディも繊細なAピラーや、端正なサイドウインドウの形など、いまとなってはエレガント極まりないスタイルにほかなりません。
また、西部警察も鮮烈なら、サイドのエキゾーストパイプから火を吹いていたシルエットフォーミュラマシンはさらに強烈なインパクト! 巨大なフロントスポイラーやブリスターで武装された「荒っぽさ」ながら、基本的にはハードトップのボディですから、カッコイイことこの上ない! こりゃ、ポール・ニューマンもCM撮影時に「お世辞抜きにいいクルマ!」とほめるわけですよ。