電気自動車の登場でスーパーカーは異次元の世界へ! 世界のスーパーカー「0-100km/h加速」トップ5の実名 (2/2ページ)

最高速は内燃機関で加速力はEVが優れる傾向に

 参考までに現在あくまでも公称値ではあるが最高速記録をもつのは、UAEのデヴェルの手によるV型16気筒エンジン搭載のシックスティーンで559km/h。それにスウェーデンのケーニグゼグが生産したジェスコ・アブソリュートが531km/hという、やはり公称値で続く。以下こちらも公称値ながら500km/h+の最高速を主張する、アメリカのヘネシー・ヴェノムF5とブガッティ・ボライド、実測値で490km/hを超えたブガッティのシロン・スーパースポーツ300+というのがベスト5だ。エレクトリックカーは残念ながら最高速記録では、やや不利な状況にある。

 一方0-100km/h加速はエレクトリックカーの独壇場だ。堂々と世界トップの座に君臨したのは、4モーターでトータル2012馬力を発揮する、日本のエレクトリックカーメーカー、アスパークが開発したアウル。64kWh分のバッテリーを搭載しながらも、その車重は2000kg強。最高速が400km/hを超えるだけでも大きな驚きだが、0-100km/hを1.72秒で走り切る加速性能には感嘆するほかはない。

 ちなみにこのアウルの生産は50台限定で行われ、価格は3億円以上とのこと。性能も価格も、すでにスーパーカーは新たな次元に達してしまったことを証明する、典型的な1台といえる。

 加速性能の2位から5位までにも、エレクトリックカーが並ぶ。2位から順にクロアチアのリマック・ネヴェーラ、イタリアのピニンファリーナ・バッティスタ、アメリカはテスラのロードスター、そしてハイブリッド・システムを採用した、中国の紅旗によるS9というのがそのランキング。注目の0-100km/h加速は、それぞれ1.85秒、1.86秒、1.9秒、1.9秒とわずかな差で、価格はテスラを除けば、いずれも2億~3億円のレンジに入る設定だ。

 高価な商品を少ない数で販売するビジネスモデル。そしてエレクトリックヴィークルというメカニカルトレンドを追求したことで、新たな時代を迎えたトップレンジのスーパーカー。はたしてそれは、これからどのような進化を遂げていくのだろうか。興味は尽きない。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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