この記事をまとめると
■ルームミラーにはレバーやボタンが備わっている
■ミラーの角度や電気の力によって防眩効果を得るものとなっている
■ルームミラーは装備されていなくても保安基準上は問題がない
ルームミラーについてるボタンやスイッチの役割とは
運転中の後方確認に「ルームミラー」を使っているドライバーは多いだろう。そして、ルームミラーの下にはレバーがあったり、スイッチが付いていたりすることがある。
はたしてルームミラー下のレバーは、どういったシチュエーションで使うものなのだろうか。
結論を先にいうと、ルームミラー下のレバーは、後方からのヘッドライトが眩しいと感じたときに動かすためにある。レバーを動かすことでルームミラーの角度が変わり、防眩効果を生み出すことができる。
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その仕組みは、“プリズムミラー”を使ったものとなっている。レバーによってルームミラーの角度を変え、それによって鏡の裏面と表面を使いわけている。一般的な構造では、通常時に反射率の高い裏面を使い、眩しいと感じたときには反射率の低い表面を使うようになっている。
つまり、反射率を2段階で切り替えることで防眩機能を実現しているのが、レバーを使った手動式ルームミラーといえる。
また、ルームミラーにボタンのついたタイプは自動防眩機能をもっていることが多い。その仕組みは、ミラー内の特殊ジェルに電気を流すことで反射率を調整するというものだ。たいてい自動防眩機能では、ルームミラーの前後に置かれたセンサーで明るさを検知して、最適な反射率になるよう制御している。
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手動切り換え式では、反射率の低い鏡面を使ったときに暗すぎると感じることもあるが、自動防眩機能であれば、そうしたストレスは感じにくい。自動防眩ミラーは電子制御なのでほぼ無段階で最適な反射率に調整できるのがメリットとなる。スイッチによって自動防眩機能をオフにすることも可能だが、できれば常時オンにしておくことをおすすめしたい機能だ。
もっとも、最近ではリヤに設置されたカメラ映像を処理して、ルームミラー部分のディスプレイに投影するデジタルミラーの採用車も増えている。デジタルミラーの解像度や明るさに慣れないという声もあるが、出来のよいデジタルミラーは自動防眩ミラーよりもクリアに後方を確認できるようになっているのも事実だ。初期のデジタルミラーにおける印象だけで判断せず、最新タイプの進化も確認して情報をアップデートしておきたい。
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ところで、ルームミラーの防眩機能については装着義務があるわけではなかったりする。そのため、軽トラなど安価なモデルでは防眩機能をもたないルームミラーが備わっていることも珍しくない。
そもそもルームミラーは保安基準で求められている部品ではない。いわゆるドアミラーなどのサイドミラーによって法規で定められた後方視界を確保されていることは保安基準で定められているが、ルームミラーがなくても問題なかったりする。
考えてみれば、リヤウインドウのないパネルバンなどでは、ルームミラーで後方確認することは不可能であるし、3列シートミニバンでフル乗車したときもルームミラーで後方確認することは難しい。それでも保安基準上の問題とならないのは、サイドミラーで後方が見えていればよしという制度になっているからだ。
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その意味では、ルームミラーの防眩機能というのは法規対応のためではなく、自動車メーカーがユーザー利便性のために備えている機能といえる。せっかく付けてくれている防眩機能なのだから、状況に応じて活用しないのはもったいない。
手動切り換えの防眩ミラーにおいて、気が付かずに反射率の低い面を常用しているケースもごくまれにあるようだ。せっかくの機能を活用できるよう、レバーの位置とルームミラーの調整について、あらためて確認してほしいと思う。