この記事をまとめると
■マツダ車における人気モデルは最近出た新型車ではない
■1モデルあたりのモデルライフが長い傾向にある
■大きくないメーカーがゆえに新車開発リソースを集中させている
マツダ車の多くはロングライフという噂
トランプ政権によって、アメリカが輸入する自動車関税は本稿執筆時点で27.5%(従来の2.5%+追加25%)になった。これによってアメリカを主要市場と位置づけている自動車メーカーは厳しい状況になった……という報道を目にした方は多いだろう。
経営戦略としてアメリカ市場が欠かせない日本の自動車メーカーは数多いが、そのなかで日本からの輸出比率がもっとも高くなっているのがマツダだ。なんと、アメリカで販売しているモデルのおおよそ半分が日本製となっているという。
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しかも、2024年のアメリカにおけるマツダの販売実績は42万台超えで、過去最高を記録している。関税によってアメリカ市場での販売が減るとすれば、そのぶんを別の市場で販売しないと同社の生産規模はシュリンクすることになってしまう。
さて、そんなアメリカ市場におけるマツダの主力となっているのは、CX-5やCX-30といった現地では比較的コンパクトといえるSUVだ。この2台については、日本国内での販売においてもマツダの柱となっている。
●2024年度に日本で新車販売されたマツダ車のトップ5(自販連発表データより抜粋)
CX-5:2万3038台
CX-30:1万4360台
MAZDA3:1万2415台
CX-80:1万512台
ロードスター:8778台
それにしても、このトップ5を見ていて感じるのは、決して新車効果で売れているわけではないということだ。もっとも人気のCX-5にしても、日本での発売は2017年2月であり、5位のロードスターに至っては2015年5月発売であり、なんと10年選手になっている。
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しかし、マツダのラインアップにおいて、フルモデルチェンジから10年を経ているモデルはロードスターだけではない。マツダの国内ラインアップを販売開始のタイミングで並べてみると以下のようになる。
MAZDA2:2014年9月(当時の車名はデミオ)
CX-3:2015年2月
ロードスター:2015年5月(RFは2016年12月)
CX-5:2017年2月
MAZDA3:2019年5月
CX-30:2019年10月
MX-30:2020年10月
CX-60:2022年9月
CX-80:2024年10月
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10年選手モデルは3車種もあり、国内最量販のCX-5にしても8年が経過している。もちろん、フルモデルチェンジしたまま放置しているわけではない。MX-30がロータリーEVを追加設定したように、エンジンなどメカニズム面でのアップデートがあるからこそ、ロングセラーでも商品力を維持しているといえる。