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そのうち値段下がるだろ……は甘かった! 価格高騰した「国産旧車ブーム」はブームじゃなく文化として定着していた (1/2ページ)

そのうち値段下がるだろ……は甘かった! 価格高騰した「国産旧車ブーム」はブームじゃなく文化として定着していた

この記事をまとめると

■昨今は旧車およびネオクラシックカーがブームだといわれている

■近年は多くの国産旧車が海外流出しており国内での絶対数は減少している

■旧車の現役時代を知らない若者にも旧車ファンが増えている

海外での需要増で旧車がブームになった

 旧車およびネオクラシックカーに属するクルマが注目を集めるようになってから、少なくとも10年以上は経過しています。世のなかには数々のブームがあります。「boom(ブーム)」とは、あるものが一時的に盛りあがることを意味します。かつて、当時の少年たちを熱狂させた「スーパーカーブーム」は1970年代後半の数年間のうちに盛り上がり、1980年代に入る頃には終焉を迎えていました。しかし、昨今の旧車およびネオクラシックカーの過熱ぶりは「ブーム」といった一過性ではないようにすら思えます。

 果たして、「旧車およびネオクラシックカーブーム」なのでしょうか。それとも、いま以上に過熱していくのでしょうか。考察してみました。

●進む海外流失

 RMサザビーズといった海外の有名なオークションをはじめ、アメリカをはじめとする現地の自動車販売店でも「JDM(Japanese Domestic Market)」はひとつのカテゴリーとして成立しています。

 昭和〜平成初期の国産スポーツカーはもちろんのこと、最近は街なかで見かけなくなった大衆車、さらには軽自動車や軽トラックまで……。ひと昔前であればスクラップにされていたようなクルマが海外へと流れ、第二の人生を送っています。また、バブル期に日本に輸入されたクルマが別の国に流れたり、生まれ故郷に里帰りしているケースもあります。現地の人に大切に扱われているとしたら、それはそれでアリなのかもしれませんが、ふたたび日本に戻ってくるクルマは皆無といっていいでしょう。

●国産車メーカーによる純正パーツの再生産

 第二世代スカイラインGT-Rや、70/80系スープラ、AE86レビン/トレノ、ユーノス・ロードスターなど、ごく一部の車種に限られてはいますが、メーカーサイドが絶版車の純正パーツの再生産を行っています。クルマ関連の大規模なイベントにも専用のブースを出展し、ユーザーからの生の声を現場に反映させるべく、メーカーの社員と思われる人が来場者にヒアリングしている光景をたびたび見かけます。

「俺(私)のクルマはいつまで経っても純正パーツを再生産してくれない」といった嘆きの声が聞こえてきそうですが、サプライヤーに対して理解と協力を求めつつ同意を取り付け、さらに商売として成り立たせるために役員の承認を取り付けるなど、好きな想いだけではどうにもならないような途方もない労力の末に現在があります。あれこれ批判せず、まずは自動車メーカーがはるか昔に生産を終了したクルマに対しても、目を向けてくれるようになったという「心意気」に賞賛を送るべきではないかと考えます。

●サードパーティによる再生産

 メーカーだけでありません。サードパーティに属する企業やショップが、旧車およびネオクラシックカーの部品の販売を行っています。フォルクスワーゲン・ビートルやクラシックミニなど、世界中で各サードパーティの手がけたパーツが販売されています。メーカー純正品であることが理想形ではありますが、サードパーティの部品をうまく使うことで出費も抑えられます。

 また、独自の解釈が加えられた部品がある点もサードパーティ製の魅力です。フルオリジナルにこだわらなければ、サードパーティ製の部品をうまく組み込むことで自分好みのクルマに仕立てることもできます。これまでは中古部品かリビルト品でどうにかこうにか必死にやりくりしていた部品が、新品で買えることもあるのです。当時の部品と質感が違うといった相違があるかもしれませんが、わざわざ型を起こしてまで新品の部品を販売していることに目を向けるべきでしょう。

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