国産旧車が人気となっていった背景
●旧車およびネオクラシックカーというだけで価格が高騰
いまや、旧車およびネオクラシックカーというだけで中古車相場が高騰しています。買う側も売る側も、「旧車およびネオクラシックカー=それなりに高い」という認識が、(良くも悪くも)すっかり定着してしまいました。「(相場が)下がる下がる」といわれつつも、モデルによってはさらなる価格上昇が起こっています。
筆者自身、信号待ちしていた際にふと目についた中古車販売店に置かれていたマツダRX-7(FD3S型)の車両本体価格が600万円を超えていたので、何かの間違いではないかと思ったほどです。
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また、それまで倉庫や草むらで眠りについていた旧車およびネオクラシックカーも、装着されている部品がたとえ錆ついていても再生用のドナーとしてお宝になる時代です。クルマ本体、そして関連する部品それぞれに価値がついたことで、盗難のリスクが高まっていることも事実です。
筆者も、旧車およびネオクラシックカーオーナーを取材する機会が多いのですが、ご自宅から離れた場所で撮影するようにしています。ナンバーはもちろんのこと、エンジンルームを撮影した場合、車体番号を完全に消すこともいまや大事なチェック項目です(新しいクルマでも消します)。
●若い世代のオーナーの増加
最近では20代と思しきオーナーが自身よりもあきらかに年上の旧車およびネオクラシックカーを手に入れ、カーライフを楽しんでいます。その模様をYouTubeやSNSにアップしたり、自らイベントを企画して100台くらいの旧車およびネオクラシックカーを集め、注目を集めています。まだまだ少数派かもしれませんが、かなりの熱量、そして素晴らしいセンスをもった次世代のクルマ好きが増えているように感じています。
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若いオーナーさんに聞くと、ベテラン世代から「乗り方が甘い!」とか「生意気だ」などと注意されることがあるようです。新しい時代を作るのは老人ではありません! ふだんは黙って見守り、彼ら(彼女ら)が困っていたら助けましょう。かつて、自分たちがそうしてもらったように。
●まとめ:ノーマル・オリジナルが好まれるようになった
旧車およびネオクラシックカーともに、オリジナル志向・ノーマル志向が高まっているように感じます。当時モノのデッドストック品がネットオークションに出まわると、数十万円の値がつくことも珍しくありません。「当時いらないから捨てた」という人にとっては、にわかには信じられないかもしれません。
アメリカの「25年ルール」が日本でも知られるようになったのはここ10年ほどだと記憶しています。その発端となったのが、1989年にデビューした日産スカイラインGT-R(BNR32型)でした。ちなみに、BCNR33型の解禁は2020年、BNR34型は2024年です。YouTubeなどを見ていると、第2世代GT-Rといわれるモデルが海外の路上を走っている映像を見ることができます。
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海外需要、日本国内の人気再燃、次の世代のクルマ好きが旧車およびネオクラシックカーを愛車に選ぶ……。あきらかに需要過多の状況です。法的に古いクルマには乗れない(あるいはかなりの重課税が課せられない)限り、この過熱ぶりは当面続くのではないかと考えます。