
この記事をまとめると
■レストモッドの世界に「アートマシンズ」という新星が現れた
■フェラーリ360モデナをベースとした「Ælla-60」を発表
■60台の限定販売で価格は86万5000ユーロ(約1億3853万円)の予定
レストモッド界に超新星が現る
ここ数年で一気にその知名度を高めているのが、最新のメカニズムや素材を採用してクラシックモデルのレストア、そして新たなチューニングを施す「レストモッド」と呼ばれる手法だ。
そのレストモッドの世界に脅威の新星が現れた。2025年の2月にフランスのパリで開催されたレトロモービルで、事実上のオフィシャルデビューを飾ったアートマシンズ社がそれで、この会社を設立したアンソニー・ジャナレリは、これまでドバイのハイパーカーメーカーであるWモータースでライカンなどのデザインを担当したほか、最近ではイギリスのケータハムによるプロジェクトVのデザインをも主導。それによってケータハムの未来を形作り、また権威あるドイツ・デザイン賞2025を受賞するという栄誉にも輝いている。
今回発表された「Ælla-60(エラ60)」のコンセプトについて、アンソニー・ジャナレリは、「可能なかぎり短時間で夢のクルマをエクスクルーシブなシリーズとして生産するために設立されたのがアートマシンズという会社であり、それはブランドではなく、開発、生産、コミュニケーションというすべてのプロセスにクライアントを巻き込む、オープンで情熱的な姿勢によって定義されるクルマに対する我々のビジョンを表す例である」と語る。
そしてまた、「アートマシンズは、スリリングな感動とスタイルを通じて、ドライビングという芸術を取り戻したいと考えているのだ」という言葉でその説明を結んだ。
その最初のアートマシン、Ælla-60は、ヴィンテージレーシングカーと1960年代のGT(グランツーリズモ)の完璧なマリアージュだ。メカニズムの方向性から見れば、それは現代的なコンポーネントとクラシックなレーシング機能の融合という言葉にも置き換えることができる。
このÆlla-60の基本骨格となるアルミニウム製のスペースフレームが、フェラーリがかつて1999年から2005年まで生産していた8気筒ベルリネッタ、360モデナのそれであることを知れば、その意味はさらに容易に理解できることだろう。