レストモッドというか魔改造にもほどがある! 原型がフェラーリ360モデナってにわかには信じがたい「エラ60」ってナニモノ? (2/2ページ)

ベースとなった360モデナの面影はまったくない

 そればかりではない、ミッドに搭載される自然吸気の3.6リッターV型8気筒エンジンや、それにオーソドックスな6速MTを組み合わせるというパワートレインの構造などは、まさにその象徴ともいえる部分である。参考までにÆlla-60が可能とする0-100km/h加速は3.5秒。最高出力は473馬力で、車重は1130kgと発表されている。

 それではジャナレリ自身の手によるÆlla-60のスタイリングはどうか。そこに360モデナの面影はまったくなく、フロントセクションは大きなグリルを特徴とし、フェンダーはダイナミックな曲線でその峰が描かれる。

 左右のドアはバタフライ式に変更され、流れるようなルーフラインに続くリヤセクションはエンド部を垂直に切り落とした、こちらもクラシックなレーシングカーを好むマニアには感慨深い演出。

 ゴールドのグリルに収まるテールランプはヘッドライトと同様にLED式で、その下にはエアロダイナミクスを最適化するためのデフューザーの姿も見える。

 レトロモービルでのデビュー後に、早くも予約を開始したÆlla-60だが、その生産台数は車名にも掲げられているとおり60台の限定。しかし、ここから生産化に進むためには、最低でも5台分のオーダーが必要とのことで、その最初の5台のカスタマー、別名ファウンダー(出資者)には、特別仕様の「ファウンダーエディション」が納車されることが決定している。注目の価格はレトロモービルの発表時点で86万5000ユーロ(約1億3853万円)。5名のファウンダーによるオーダーが入れば、Ælla-60の納車は2026年中に行われる予定だという。

 レストモッドの世界に、まさに革命を起こしたともいえるアートマシンズ。それはまさに、「ビヨンド・レストモッド」ともいえる存在にほかならないのである。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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