気がつけば「おもてなし文化」は海外に負けている? タクシーサービスにみるアジアと日本の違い (2/2ページ)

日本ではトランクサービスの文化が根付いてない

 筆者が海外出張へ行くときや帰宅するときに、大きな荷物を抱えてタクシーを利用する際、トランクサービスを受けることはまれだ。タクシーがきてドアが開いてから、トランク開けてくださいと頼まないとトランクすらオープンしてもらえないことも多い。

 トランクには運転士の私物もあったりするので、お客に荷物の積み下ろしをさせるものの、私物を盗まれないか運転席から降りてきて、筆者が荷物の積み下ろしを行うのを傍観しているケースも目立つ。高齢の運転士も多いので、ついつい自ら積み下ろしを行うこともあるのだが、とくに海外出張の帰路などでは、訪問先での行き届いたトランクサービスと比較してしまい、日本の現状が際立って見えてしまう。

 海外でも日本のクセで自ら荷物を積んでしまおうとするのだが、たいていドライバーがそんなことしなくていいからと、荷物にも触らせてもらえずドライバーが積み下ろしを行っている。なかには空港に着くと、荷物を積載するキャリアカーをダッシュして取りに行き、そこに筆者の荷物を載せてくれることすらある。

 外国人の乗客だからやるというわけではないが、未だにトランクサービスの対応についてバラつきが顕著なのは日本のタクシーだけのようにも見える。

 ここ最近はデジタルツールの積極導入などで稼ぎ方も変化を見せており、タクシーも大都市を中心に稼げる仕事となった。コロナ禍で激減したぶん、新規に運転士として業界に入るひとが目立っている。また、配車アプリなどでは、乗車後のスコアリング機能があり、そこでチップを払うこともできる。

 このような業界の変化が、トランクサービスをはじめ、日本のタクシーサービス向上に繋がってほしいと、筆者は願っている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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