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この「濃さ」こそが三菱の真骨頂! 過去の名車を振り返ると「北米&欧州の香り」を感じた

この「濃さ」こそが三菱の真骨頂! 過去の名車を振り返ると「北米&欧州の香り」を感じた

この記事をまとめると

■4月11日から13日まで幕張メッセで「オートモビルカウンシル2025」が開催された

三菱は「時代を切り拓いてきた名車たち」をテーマに据えて6台を展示

■三菱ブースではいずれもどこか北米や欧州車の香りを感じさせる車両を見ることができた

時代を代表する三菱のエポックメイキングなクルマたち

 4月11日から13日の3日間、幕張メッセで開催された「オートモビルカウンシル2025」。「量」より「質」にこだわったイベントとして今年も多くの名車が展示されましたが、そのなかからメーカーブースに注目、とりわけデザインの視点から出品車をチェックしてみたいと思います。で、2番目に訪問したのは三菱ブースです。

●三菱のコア技術を継承する4台を展示

 今回、三菱ブースのテーマは「時代を切り拓いてきた名車たち」。同社の歴史を飾ってきたヘリテージカー4台に加え、1980年代のコンセプトカーと現行車の2台を加えた6台の展示です。

「このイベントの基本テーマは『過去が見た未来』ですが、今回は1989年に発表したコンセプトカーである「HSR-II」を取り上げ、同車が掲げたフルタイム4WDや四輪操舵といった技術が、のちの三菱車に継承されたことを提示したいと考えました。そこで、各時代を代表するエポックメイキングなクルマとして今回の4台を展示したワケです」(国内商品戦略部 車種統括グループ 主任 室田裕次郎さん)

 その4台は、1964年に登場した「デボネア」から始まります。当時の三菱重工が2リッタークラスの高級セダンとして企画、その後22年間に渡り基本構造を変更せず販売して話題となりました。

 スタイリングを手がけたのは、当時GMに在籍していたハンス・ブレッツナー氏。フェンダーの峰をもち上げてフロントのワイド感や押し出し感を強調したボディは、いかにもアメリカ車をモチーフとした表現。リヤドアでキックアップさせたキャラクターラインが、5ナンバーとは思えない伸びやかさを見せました。

 その隣に展示されていたのは、1970年登場の「ギャランGTO MR」。フォード・マスタングなど、当時拡大しつつあったスペシャリティ市場に対応するために企画された2ドアクーペです。

 ロングノーズ、ショートデッキは王道ですが、空力性能に寄与するダックテールが見所で、「ヒップアップクーペ」のキャッチコピーにも納得。さらに、丸型4灯のヘッドライトとメッキで囲んだ4灯のテールランプが強烈な個性を発揮しました。ボディを引き締めるサイドストライプも印象的です。

●バブルを飾った3ナンバー専用ボディ

 3台目の展示は、1976年登場の「ギャランΛ」です。セダンであるΣから遅れること半年、同車をベースに「ファストバックにも、ハッチバックにも見えるカタチ」をテーマにスタイリングが行われました。

 当時としては珍しいスラントノーズの先端には、日本車初の角型4灯ヘッドライトを置き、じつにシャープな表情を作りました。また、極めて強い曲率を持つラップラウンドリヤウインドウは、直接ガラスメーカーと交渉することで実現したといいます。

 時代を下り、最後は1990年登場の初代「ディアマンテ」です。税制改革に合わせ、三菱初の本格的な3ナンバーボディを4ドアハードトップとして成立。ドイツを視察した開発メンバーは、現地車に負けない「骨太かつ上品」なデザインを目指したといいます。

 3年前に発売された、6代目ギャランの「オーガニックフォルム」を引き継いだような凝縮感のあるボディを基本としつつ、上級セダンとしての伸びやかさを加えることで、より親しみやすい佇まいとなりました。

 さて、今回の4台は1960年代から1990年代まで、それぞれの時代を反映したスタイリングとなっていますが、いずれもどこか北米や欧州車の香りを感じさせる点が面白いところ。その「濃さ」が三菱車らしいといえるのかもしれませんね。

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