N-BOXが10年連続の軽販売トップもトータルではトヨタのひとり勝ち! 2024年度の新車販売台数分析 (2/2ページ)

トヨタのひとり勝ち状態はやや薄らいだ

 新型コロナウイルスが感染爆発した2020年に新車販売全体が大きな落ち込みを見せ、そこからようやく本格的な復調傾向を見せたのが2024年ともいえるのだが、今回の2024事業年度締め統計でN-BOXの年間販売台数をコロナ禍直前の2019事業年度締め統計と比較しても、まだ2019事業年度締め比で約85%までしか復調していない。ここのところは、マイルドハイブリッドユニットを搭載するスズキ・スペーシアの追い上げも激しく、現行3代目N-BOXのパワーダウン傾向も目立ってきているが、市場全体がコロナ禍前にまだまだ戻りきっていない状況が続いているともいえよう。

 登場以降人気の高かった日産サクラは、軽自動車のみのランキングでもベスト15圏外となっている。そのサクラは前年同期比61.1%まで販売台数を落としており、「サクラブーム終焉」といってもいい状況だ。

 2024年3月末に正式発売となったホンダWR-Vは、2024事業年度締めが初めてのフルカウントでの年間販売台数となっている。3万9069台なので、月販平均約3255台。デビュー時の月販目標台数が3000台なので、目標台数をやや上まわる結果となっている。2024年10月にスズキ・フロンクスが正式発売となり、需要がやや喰われるようになったころから、少々失速傾向だ。

 トヨタ・ヤリスクロスの新規受注停止期間が目立った2024事業年度では、需給状況が順調で(納期が早め)、再販価値が高いとのこともあり、レクサスLBXが大活躍した。いまやブランドのなかでもLM、NXと肩を並べる看板車種の1台となっている。

 単月締めでは、軽自動車ならばN-BOXのトップ維持、登録車ではトヨタのひとり勝ちが続いている。2024事業年度締め車名(通称名)別年間販売台数では、トヨタのひとり勝ち状況がやや薄らいでいるようにも見える。

 納期で差(トヨタ車と比べるとトヨタ以外のメーカーは納車が早め)が出て久しいが、トヨタ車も以前よりは一部車種を除けば納期改善が進んでいる。そうはいっても「納車が早い」というウリをトヨタ以外のメーカーが使い切れていない様子を見ると、トヨタ一強の背景にはもっと根深いものがあるとしかいいようがないだろう。

2025事業年度締め年間新車販売ランキングトップ30

ホンダN-BOX 21万768台
トヨタ・ヤリス 17万1919台
スズキ・スペーシア 16万8491台
トヨタ・カローラ 16万5448台
ダイハツ・タント 12万2358台
トヨタ・シエンタ 11万6368台
日産ノート 9万6934台
ホンダ・フリード 9万808台
スズキ・ハスラー 8万9691台
トヨタ・アルファード 8万7962台
トヨタ・ルーミー 8万4312台
日産セレナ 8万1765台
トヨタ・プリウス 8万212台
スズキ・ワゴンR 7万5800台
トヨタ・アクア 7万4849台
トヨタ・ノア 7万3721台
トヨタ・ヴォクシー 7万2770台
ホンダ・ヴェゼル 7万1120台
日産ルークス 6万8989台
トヨタ・ライズ 6万8134台
スズキ・アルト 6万4667台
トヨタ・ハリアー 6万3684台
ダイハツ・ムーヴ 6万3512台
トヨタ・クラウン 6万397台
ホンダ・フィット 5万8641台
トヨタ・ランドクルーザー 5万7093台
三菱デリカミニ/eKシリーズ 5万4659台
スズキ・ソリオ 5万2492台
ホンダ・ステップワゴン 5万1737台
ダイハツ・タフト 5万1003台


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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