歴代モデルを並べてみることができる貴重な機会に
●ホンダデザインの黄金期を牽引した2代目
1982年、4輪ABSを初採用した2代目は「FFスーパーボルテージ」をコピーに、ホンダデザイン黄金期の先駆けとして登場。ダブルウイッシュボーンサスペンションやリトラクタブルランプの採用で、フードは先代に比べ80mm以上も下げました。この薄いボディと大きなキャビンの組み合わせは、自慢のMM思想を反映したパッケージです。
TVCMに『ボレロ』が使われたように、その佇まいはどこかヨーロピアン。続くクイント・インテグラやアコード、シビックとともに極めてオリジナリティの高いスタイリングを実現しました。
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5年後、AWS(4輪操舵システム)を初採用した3代目は「デートカー」として異例のヒット作となった先代を引き継ぎ、典型的なキープコンセプトに。特徴は、この手のモデルチェンジでよく見られるように、徹底した質感の向上にあります。
ボディは磨き上げられてスムースな面となり、ボディ同色となったバンパーも相まって一体感が強まりました。インテリアも本革仕様の追加など、同様にクオリティアップが図られたのです。
●スポーティカー路線へ舵を切った4代目
1991年、VTECエンジンを初採用した4代目は「フューチャリスティック・スペシャルティ」として、デートカーからスポーツ指向へ大きくシフトしました。3ナンバーとなったボディは「生体感」をテーマに曲面基調の豊かな張りを見せ、ウエッジを強めた高いリヤエンドは三角形のテールランプが引き締め役に。
同時にインテリアも激変。ラウンド感あふれるインパネに先代までのイメージはまったく残っていませんでした。
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5年後には、ATTS(アクティブ・トルク・トランスファー・システム)を初採用した5代目が登場。なんとかスペシャリティカーとして原点回帰を標榜しました。
たしかに、大きくなったキャビンは2~3代目を想起させますが、縦型のヘッドライト以外にこれといった特徴が見出せず、シリーズ中でも少々印象が薄くなったようです。
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さて、特別展示された6代目となる新型はグライダーの軽快さをモチーフとし、質の高い面構成とLEDを活用したシャープな前後ランプ類が2025年らしい表現です。その評価は、後年にあらためて歴代が並べられたときにハッキリするのかもしれませんね。
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