この記事をまとめると
■タイでは日本車、とくにトヨタが圧倒的人気を誇り販売台数でも首位を堅持
■アルファードは高額にもかかわらず富裕層に支持され、現地仕様・並行輸入ともに好調
■トヨタはHEVでも「信頼性No.1」を強調し、中国系ブランドの攻勢に備える構えだ
タイでも「アルヴェル」は大人気
タイにおいて日本車は依然として人気が高く、中国系ブランドが大挙して押しかけてきてもその状況に大きな変化はない。そのなかでもトヨタは、タイ国内でのブランド別販売台数でトップを維持するほどの高い人気を確立している。
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そんなタイでは、アルファードの人気が先代モデルで大爆発し、現行型となったいまでもその傾向はつづいている。日本においては、レクサスLMが現行型から国内販売されるようになると、購買層の一部がLMへ流れたことでアルファード&ヴェルファイアの人気は落ち着きつつあるともいわれている(日本ではアルファード&ヴェルファイアの新規受注停止が断続的につづいているので、それが背景にあるという見解もある)。
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筆者の自宅近所に建つ一般的な戸建て住宅の車庫に、レクサスLMが置かれていた。また、少し離れたアパートの駐車場にはレクサスLSが置かれている。ローンなども含めた購入資金さえ用意できれば、誰でもレクサス車を購入して乗ることができるからだ。このように自由なカーライフを謳歌できる環境は、日本ならではといえる。
海外では資金洗浄防止などもあって現金販売は基本行わないし、ローンやリースの審査についても、住宅ローンや日々のキャッシュレス決済の支払い状況までが審査対象となるので、「好きだから」というだけでレクサスをはじめとする高級ブランドの新車を購入することはできないのである。
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地元の事情通に聞くと、タイではもともと初代レクサスLMがラインアップされており、現在は2代目となる現行型にスイッチしているとのこと。アルファードについても日本と同様の現行型となっているのだが、目立ってLMヘ需要がスライドすることはなく、むしろ先代型に比べて現行型ではLMよりもアルファードのほうが盛り上がりを見せているようだと語ってくれた。
つまり、LMはアルファードユーザーがアップグレードして乗り換えるというよりは、アルファードユーザーのさらに上をゆく富裕層という新しいユーザー開拓に成功しているようにも見える。
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アルファードのタイでの価格は、「2.5HEVラグジュアリー」で426万9000バーツ(邦貨換算約1886万円)。日本では一般サラリーマンでもファミリカーとして乗っていることも目立つが、タイをはじめとして東南アジア各国でのユーザー層は価格を見てもわかるとおり、「大金もち」に限定されているのである(ちなみにLMは、LM500hの4人乗り仕様で829万バーツ{約3664万円})。
「日本仕様に乗りたい」というひとも先代モデルの時代から多く、金額はいくらになってもいいので日本仕様が欲しいというニーズは現行型でも続いている。日本から並行輸入された日本仕様も結構な台数が販売されているのだ。