すげークルマが集結する……のはわかる! とはいえクルマ好きでも詳しく知らない「コンクール・デレガンス」ってなに? (2/2ページ)

展示・採点がメインだが走行もあり

 コンクール・デレガンスは、そもそも自動車を展示し、そのブランドやテーマに深い知識をもつジャッジによって採点が行われるスタティック(静止)イベントだが、ペブルビーチ・コンクール・デレガンスでは、その開催前々日に、ツアー・デレガンスと呼ばれるダイナミック(走行)イベントも開催される。

 風光明媚なモントレー半島をツーリングし、メカニカルなトラブルを起こすことなくゴールを目指すこのイベントで完走が認められると、コンクール・デレガンスのポイントが加算される仕組みだ。そして同時に沿道の観客は、短い時間ではあるが貴重なクラシックカーが実際に走る姿を楽しめるのだ。

 ペブルビーチ・コンクール・デレガンスでは、通常30ほどのクラスが設けられるが、ジャッジは1台1台のモデルを慎重かつ丁寧にチェックしていく。そして、各クラスのなかからクラスウィナーが選ばれるほか、全エントリー車のなかからさまざまな特別賞が、最終的に3台の候補がクラスウィナーのなかで選出されたのち、栄誉あるベスト・オブ・ショーが決定されることになる。

 ちなみにこのベスト・オブ・ショーを含め、各賞にはトロフィーなどが授与されるが賞金は一切なし。それよりもむしろ、ペブルビーチ・コンクール・デレガンスにエントリーすることができ、そこで受賞できたということが、そのクルマのヒストリーをさらに魅力的なものにしてくれるのだ。

 ペブルビーチ・コンクール・デレガンスはまた、チャリティの場としても大切なイベントとなっている。ちなみに昨2024年は、史上最高額となる313万ドル(開催当日のレートで約5億1238万円)の募金を集めることにも成功した。

 2025年のペブルビーチ・コンクール・デレガンスは8月17日の開催。世界屈指のコンクール・デレガンスの雰囲気を味わいたい人には、ぜひ足を運んでいただきたいイベントである。


この記事の画像ギャラリー

山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

新着情報