すげークルマが集結する……のはわかる! とはいえクルマ好きでも詳しく知らない「コンクール・デレガンス」ってなに? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■起源は17世紀フランスの馬車展示で20世紀にクラシックカーが主役へ

■アメリカのペブルビーチは世界屈指の格式を誇る現代の代表的コンクールデレガンス

■静的展示に加え実走イベントも実施され賞金なしでも名誉は絶大

由緒正しく格式高いクラシックカーイベント

 今回は、クラシックカーのエンスージアストならばだれもが憧れる「コンクール・デレガンス」というイベントを解説してみることにしよう。

 コンクール・デレガンスとは、フランス語で「Concours d’Elegance」と綴られることからも想像できるとおり、その発祥は17世紀のフランス。もちろん17世紀に自動車は存在していないから、当時のエレガンス、すなわち優雅さを競ったのは高級な馬車であった。その馬車に代わって自動車が主役になったのは、20世紀を迎えたころの話というのが定説である。

 クラシックカーの美しさ、そして歴史考証の正しさを競うコンクール・デレガンスは、まずヨーロッパで高い人気を得るが、第二次世界大戦による経済情勢の悪化から、それは徐々に低迷の時代を迎えることになる。1929年にイタリアのコモ湖畔で初開催された「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」は、1951年には無期限の開催中止を発表。復活するまでには長い時間を必要とした。

 それとは対照的に、新たなコンクール・デレガンスの中心地となったのはアメリカだ。ペブルビーチ・コンクール・デレガンスは1950年に初開催を迎えたのち現在まで、復活したコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステに並ぶ世界最高の格式を誇るイベントへと成長した。

 毎年8月半ばに開催されるペブルビーチ・コンクール・デレガンスの会場となっているのは、ゴルフの全米オープンも行われるカリフォルニアのペブルビーチ・ゴルフリンクス。その18番ホールに並ぶことができるクラシックカーやバイクは毎年200台強だが、エントリーの段階ではじつに1500台に迫るリクエストが届く。

 コンクール・デレガンスの主催者は、そのなかから毎年設定されるテーマカーや、それぞれのモデルのヒストリー、コンディションから、招待状を届けるオーナーを決めなければならないのだ。そのオーナーは、アメリカのみならず、世界各国にまたがるのもまた、容易に想像できるところだろう。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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趣味
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