東南アジアのお金もちはでかいミニバンがお好き! 会場にズラリ並んだアルヴェルのライバル「中国・韓国メーカーのラグジュアリーミニバン」を一挙紹介【バンコク国際モーターショー2025】 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■バンコク国際モーターショー2025が開催された

■会場には多くのラグジュアリーミニバンが展示された

■今回は中国・韓国メーカーのモデルをピックアップ

多くのメーカーがラグジュアリーミニバンを展示

 トヨタの誇るラグジュアリーミニバン、「アルファード」と「ヴェルファイア」、そして近頃6人乗りが投入されたことでも話題の「レクサスLM500h」が、東南アジアでもつとに高い人気を誇るのは既報のとおり。というわけで2025年のバンコク・インターナショナル・モーターショーには、柳の下のどじょうを掬わんとする、中韓からの刺客たちが、ズラリと出揃った。会場の端から端まで眺めてみよう。

 まずはジーリー・グループ傘下のZEEKRが3年前に発表した「009」。「ピュア・ラグジュアリー・エレクトリックMPV」を謳うだけあって、確実に進化を遂げている。全長はじつに5209mm、全幅は2024mmで、全高は1848mm、ホイールベースは3205mmという堂々たる体格だ。バッテリー容量は圧巻の140kWhで、最大航続距離は822kmを謳う。

 インテリアスペースは7.4平方メートルもの広さで、3列目は中央がフラット気味でほぼ7シーターの作りながら、シートベルトの数でいったら6名乗車。ナッパレザーの柔らかさ、2列目シートの前後スライド量まで、インテリアの質感もかなりキラキラ気味ながら圧倒的だ。

 レザーのサプライヤーも中国? と説明員に質問してみたら、「すべてが中国製ですよ!」と満面の笑みで返された。20スピーカーのオーディオシステムはじつはヤマハなのだが、装備やコンポーネントの製造国にこだわるのはもうナンセンスなのだろうか。

 続いては韓国勢として進境著しいヒョンデのスターリア。近未来的なフェイスとは裏腹に、じつは3.5リッターV6や2.2リッターディーゼル、あるいは1.6リッターガソリンとのハイブリッドを積むICE車だ。5.2m×ほぼ2m幅という大型ミニバンとしては先駆的とはいえ、やはり商用車との共通モジュールのせいか、アルファードや中華勢に比べるとレザーとはいえシートに色気が足りない。ヒョンデも十分に分かっているのだろう、だからこそオーバーランドスタイルでキャンプを演出していたが、スターリア・ラウンジ・キャンパーもあるだけに、ラグジュアリー・ミニバンのトレンドのなかではやはりちょっと分が悪そうだ。

 続いてはXPENG(シャオペン)が今年から右ハンドル仕様をアジア各地に投入している「X9」。690kmものロングレンジを謳うラグジュアリー・ミニバンの特徴は、クーペのようにリヤ端がスラントしたルーフラインだ。これが格好だけかと思えばさにあらず、じつはCd値0.227を誇る空力ボディでシャシーはオールアルミニウム。MPVミニバンとしては珍しく、車軸まわりの要所要所はアルミニウムの射出成型でかたちづくられているとか。

 フロントはダブルウイッシュボーン式サスペンションに、リヤはHアームをベースとするマルチリンク式だ。しかも、最大5度の切れ角が与えられた後輪操舵システムまで備えている。ADAS制御に用いられるのはデュアル搭載したエヌディヴィア・ドライブの”オーリン”チップセットで、コクピット・インターフェイスはクアルコム社のスナップドラゴンSA8295Pという、最新鋭ぶり。800Vシステムを採用して急速充電は330kWまで対応、10分間で330kmの航続距離分を充電できるという触れ込みだ。

 インテリアも瀟洒なベージュで、ステアリング上でオフセットされた”X”ロゴのお洒落っぷりからして、イーロン・マスクが自社製品かと間違えそうなぐらい。それほど先進的なのに、約275万バーツ(約1240万円)と、タイに輸入されたアルファードの半額ほどだというから恐れ入る。


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南陽一浩 NANYO KAZUHIRO

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