RAV4 PHEVがバカッ速! ラリーで2連勝というから「グラベル」かと思いきや「ターマック」だった!! (2/2ページ)

長いステージでもハイブリッドブーストを使えるのが強み

──ちなみにJN-Xクラスは改造範囲が狭くなっていると思いますが、ベース車両から変更した部分はどこでしょうか?

天野選手:ロールケージにダンパーとスプリング、あとはブレーキパッドぐらいです。

──それだけの改造でラリーに参戦できるんですね。ところで、天野選手はGRアクアでJN-6クラスに参戦しているとき、“エンジンが非力だから、ハイブリッドブーストがすぐになくなるとかなり遅い”みたいなことをいっていたと思いますが、RAV4 PHEVは大丈夫ですか?

天野選手:RAV4 PHEVはエンジンの排気量が大きくて160馬力ぐらいのパワーがあるので十分に加速力がありますし、バッテリーの容量があって、モーターでのアシストもありますからね。かなり速いですね。もちろん、10km以上の長いステージでは途中からアシストが厳しくなってくるけれど、普通のハイブリッドよりも長い距離に対応可能で、5kmぐらいのステージなら楽勝でモーターのアシストを活かして走れます。

──現在の課題はなんでしょうか?

天野選手:新しい取り組みなので開幕戦から第2戦にかけて足まわりのセッティングに試行錯誤していますが、最大の課題はタイヤサイズです。245mmが使用できないので最新のタイヤが使えない。その辺りがネックになっています。

──やはりSUVということでグラベル戦での活躍に期待したいんですけど、そちらのほうはどうですか?

天野選手:今年に関していえば、RAV4 PHEVでのラリー参戦はターマック戦のみで、北海道のグラベル戦に関しては昨年のGRアクアで参戦する予定です。RAV4 PHEVはバッテリーがフロア部分にあるので、グラベル戦に参戦するためには保護をしないといけない。その保護の仕方をしっかり検討したいと思います。

 以上、天野選手に話をうかがったが、実際にRAV4 PHEVはツール・ド・九州でも好タイムを連発。今大会は10km以上のロングステージが設定され、かなり高速のレイアウトとなっていたが、天野選手/井上選手はRAV4 PHEVを武器に唐津市のワイディングを攻略し、JN-Xクラスで2連勝を達成。大きなマシンが狭い林道を駆け抜けていくシーンは、迫力満点で、今後もRAV4 PHEVは各ラウンドで注目を集めることになるだろう。

 なお、ツール・ド・九州では2号車「GR YARIS Rally2」を駆る勝田範彦選手がJN-1クラスで2連勝を達成したほか、18号車「AISIN GR Yaris DAT」のステアリングを握る大倉聡選手がJN-2クラスを制したことで、GRヤリスのDATモデルが全日本選手権で初優勝を獲得したこともトピックスといえるだろう。

 そのほか、JN-3クラスでは32号車「SummyK-oneルブロスYHGR86」の山本悠太選手が2連勝を達成。

 一方、JN-4クラスでは40号車「Itzz YH TCSR ANスイフト」の黒原康仁選手、JN-5クラスでは43号車「DL CUSCO WM TWR OTS TAKATAデミオ」の河本拓哉選手ら地元ドライバーがクラス優勝を獲得している。


この記事の画像ギャラリー

廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

愛車
スバル・フォレスター
趣味
登山
好きな有名人
石田ゆり子

新着情報