王者「アルファード&ヴェルファイア」にライバル誕生! 2026年登場の「日産の新型LLミニバン」はアルヴェルの牙城を崩せるか? (2/2ページ)

新型エルグランドはアルヴェルに対して優位性を示せるのか?

 そもそもLLミニバンの歴史を振り返れば、当初は日産エルグランドが圧倒的な存在感を放っていました。初代アルファードの誕生は、エルグランドが2代目へ進化するタイミングであり、トヨタはひと世代ぶん遅れていたのです。

 とはいえ、エルグランドに先んじてFFプラットフォームを用いたり、ハイブリッドを設定したりしたことで、アルファードは人気を高めていきました。それでも、この段階ではスポーティなエルグランドとラグジュアリーなアルファードといったすみ分けだったと記憶しています。

 アルファードが2代目へモデルチェンジする段階で、アグレッシブな顔つきのヴェルファイアという姉妹車を新設定することで、エルグランドの市場を奪い取り、アルヴェルだけでLLミニバンへのニーズを満たすようになりました。アルファード VS. エルグランドという構図を、アルファード VS. ヴェルファイアとしたといえます。

 エルグランドには設定のなかったハイブリッドを展開することで、現在の圧倒的な地位・商品力を築いていったというのが、これまでの経緯といえるでしょうか。

 だからといって、アルヴェルの商品力が未来永劫続くという保証はありません。冒頭でも触れたように、独占禁止法に関する警告を受けたというニュースは、ブランド価値を毀損した部分もあるでしょう。

 そうしたアルヴェルへのネガティブイメージをうまく利用して、日産が新型大型ミニバンをローンチすることができれば、LLミニバン市場の力関係に変化が起きることも考えられます。

 とくに、日産の新型大型ミニバンには第三世代e-POWER専用モデルとなるそうですから、静粛性や経済性といったハイソサエティミニバンに求められる商品力を実現することが期待できます。加えて、価格や納期といった面でアルヴェルより有利な条件をユーザーに提示することができれば、LLミニバン市場のシェアに大きなうねりが生まれるかもしれません。


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山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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