
この記事をまとめると
■GRヤリスの2025年モデルはより俊敏なスポーツドライブを実現
■足まわりと剛性の見直しで走りの質感がさらにアップ
■2025年秋には「エアロパフォーマンスパッケージ」が登場予定
「モータースポーツで鍛える」思想が生んだ進化
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、進化型「GRヤリス」を2025年4月11日に発表。同日より全国のトヨタ車両販売店で注文受付を開始し、発売は5月6日を予定している。
GRヤリスは、TGRが掲げる“モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり”を体現した1台。2020年の発売以来、WRCやスーパー耐久、全日本ラリー選手権などで実戦投入されており、その過程で得られたノウハウが車両の進化に直結している。
「壊してくれてありがとう」という開発陣の合言葉通り、極限環境でのトラブルを徹底解析。走行データ、部品の損傷状態、ドライバーの感覚までを分析して改良が加えられてきた。今回の進化型も、実戦で鍛え抜かれた“リアルな進化形”GRヤリスといえる。
GR-DATの進化で走りの質が向上
2024年に初採用された8速AT「GR-DAT」をさらに改良。スポーツ走行時のパドル操作から変速開始までの反応時間を短縮し、Dレンジでのダウンシフト範囲を拡大。
マニュアルモードでは、レッドゾーン近くでのダイレクト感が増し、操作に対するレスポンスが格段に向上している。また、登坂時などにシフトアップタイミングを最適化することで、全開加速時のトルク感の持続性も強化された。
シャシー・足まわり・EPSの徹底チューニング
ボルト類の高剛性化によりステアリングの応答性と直進安定性が向上。それに合わせてショックアブソーバーやEPS(電動パワステ)もチューニング。ステア操作と車両の動きが一致するリニアなフィーリングを実現した。
開発にはプロドライバー・大嶋和也選手も参加し、サーキットでの限界性能とワインディングでの扱いやすさを両立。とくにRZ“High performance”は、サーキット走行にフォーカスしたセッティングが施されている。
装備面の充実したアップグレード
今回のGRヤリスは実用性の面でもしっかりと進化している。そのひとつがペダルの大きさ。GR-DAT搭載車は、踏み込み時の操作性を高めるため、フットレストの面積を拡大した。
ラリー由来の縦引き式サイドブレーキは、従来はRCグレードのみの装備だったが、今回から全グレードにオプション設定されることとなった。
そして、先進運転支援パッケージ「Toyota Safety Sense」がすべてのグレードに標準装備され、安全面でも充実を図っている。