
この記事をまとめると
■サーキットでは安全のため厳格なルールが存在する
■他車との共存を前提とした譲り合いとマナーが必要だ
■速度無制限でも走行前に講習やライセンス取得が必須となる
サーキットはなんでもありの場所じゃない!
公道で無理な走行をしている人に「そんなに暴走したければサーキットに行け」といわれることがある。しかし、サーキットは無法地帯ではない。むしろ、公道よりも厳しいルールがいくつも存在する。そのかわりにコース上にスピード違反はなく、300km/hでも400km/hでも出して構わないのがサーキットだ。
では、どんなルールやマナーが存在するのか?
サーキットでも公道と同じく、同時に複数台のクルマが走行する。モータースポーツでもジムカーナやダートトライアルのように1台ずつコースを走行する競技もあるが、サーキットではレースでもスポーツ走行と呼ばれる練習走行でも複数台が同時に走る。そのためにいくつもルールが存在し、それを守らなければ事故につながるし、厳しいペナルティも待っている。
サーキットのルール①:ホワイトラインカットをしない
ピットからコースに入るところに、ホワイトラインと呼ばれる白線がある。ピットアウトしてコースインするクルマはこのラインがなくなるまではその線を跨いではいけない。このラインのおかげで、ピットアウトするクルマとコース上を走ってきたクルマがぶつからないようになっているからだ。
公道でいえば、高速道路でパーキングエリアから本線への合流車線のようなイメージ。あそこでしっかりと加速せずに白線を跨いで本線に合流するのと同じで、後続車とぶつかる可能性があり大変危険。それはサーキットでも同じなのだ。レースではホワイトラインカットは重大なペナルティで、罰金や順位の降格などといった処分が与えられる。皆さまも高速道路の合流時には白線を跨がないように気をつけてもらいたい。
サーキットのルール②:コース上は譲りあって走る
サーキットのコース上は縦横無尽に好きに走っていいわけではない。走行ラインは好きなところを走っていいが、シチュエーションによっては後続車に走行ラインを譲ることも必要になる。
レースは別として、予選や練習走行時においては前走車両が優先。自分がベストタイムを狙って全開で走っているときに後方から速いクルマが来たら、そちらが勝手に抜いていくもので、わざわざ走行ラインを変えて譲る行為は不要。「なんだよ、遅えな!どけよ!」と煽り運転をするのは公道と同じくNGだ。
クルマが遅くても腕が悪くても、先にベストタイムを狙って全開で走っているなら、そこに追いついてしまったほうがタイミングを見誤っているわけで、そこで前を煽るのは違う。
ただし、エンジンやブレーキを冷ますためにクーリング走行をしていたら、できるだけ後続車の邪魔にならないラインで走行するべき。互いを尊重して限られた時間内でベストタイムを狙ったり、安全に気もちよく走ろうというのがサーキットの基本理念。見ず知らずの人としゃべるわけでもなく、互いに呼吸を合わせて邪魔にならないように走るのには、公道以上の連帯感が必要になる。