トレノもカリブも知ってるけど「シエロ」……そんなのあったっけ? クルマ好きでも知らないスプリンター兄弟の超マイナー車 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■スプリンターはカローラの兄弟車でさまざまなモデルが存在した

■なかでもスプリンター・シエロはユニークな1台だった

■ただし販売台数でみると不発に終わった

ユニークな顔ぶれだったカローラの兄弟車スプリンターシリーズ

 1980年代から1990年にかけてトヨタが製造していたスプリンター一族を覚えているだろうか。おそらく、多くの人が真っ先に浮かぶのは、1983年に登場した、いまでは伝説となったAE85/86型スプリンター・トレノ(カローラ・レビン)かも知れないが、じつは1987年デビューの5代目スプリンター・トレノ、AE91/92型もまた、当時の大ヒット車だったのだ。AE85/86はFRレイアウトを採用していたが、5代目からFF化され、ボディタイプはスタイリッシュな2ドアノッチバックに集約。

 パワーユニットは1.5リッターと1.6リッターを用意し、1.6リッターの4A-GE型エンジンは120馬力、14.5kg-mというスペックだったものの、1989年にマイナーチェンジでハイオク仕様となり140馬力、15.0kg-mにパワーアップ。さらにスーパーチャージャー版の4A-GZE型エンジンも登場し、こちらは145馬力、19.0kg-mのスペックを皮切りに、後期型では165馬力、21.0kg-mまでパワー、トルクアップを果たしている。つまり、かなりスポ―ティな2ドアクーペだったのである。

 その後、1992年にはスプリンター一族に角を丸めたスタイリングが特徴の、トヨタのコンパクトカーとしては初の4ドアハードトップスタイルとなったスプリンター・マリノが登場。

 また、遡ること1988年にはスプリンターの、いまでいうクロスオーバーモデルとなる2代目スプリンター・カリブがデビュー。駆動方式はフルタイムAWDのみ(!)で、ボディ後部のボックス型(RV/ワゴン型)デザインやルーフレールの装備によって荷物の積載力も自慢だった。さらに、上級グレードにはハイドロニューマチックサスペンションを採用。走行中でも車高を30mm高めることができ、カリブという車名の響きのよさもあり、悪路にも強いスプリンターとして一世風靡。

 パワーユニットは1.6リッターの100馬力版と110馬力版が用意されていた。カリブに関しては、いま見てもけっこうイケてるデザイン、キャラクターだと思えるほどだ。


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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