この記事をまとめると
■長期在庫になってしまったオイルを使っても問題はないのか
■未開封のスチール缶のオイルであれば10年くらいは問題なく使える
■オイルは熟成されることはないので早めに使い切ってしまうのがオススメだ
10年くらいの放置は平気でもオイルの長期在庫にメリットはない
イベントの景品やバーゲンセールのときに購入したオイルを物置に入れっぱなしして、長期間ほったらかしにしていたことはないだろうか? こうした長期在庫になってしまったオイル、いつまで安心して使うことができるのだろう?
新品未開封でスチール缶に入っているオイルなら、常温常圧下で保管している限り、何の劣化も起こらないはずなので、5~10年ぐらいは問題なく使えると考えていい。そもそも、オイル缶には基本的に製造年月日が記されていないのがその証拠(製品によっては、製造年月製造場所等がわかる記号が刻印されているものもあるが、ユーザーに知らせる目的ではないので、あってもわかりづらい)。
スチール缶のエンジンオイル画像はこちら
缶詰の食品だって、賞味期限は3年以上がスタンダード。しかも賞味期限は「品質が保たれ、おいしく食べられる期限」のことで、安全に食べられる期限=消費期限はもっと長い。加工食品の賞味期限や消費期限は、「可食期間(安全に食べられる期間)」に、0.8〜0.7程度の「安全係数」をかけて設定されているので、通常、賞味期限が3年(1095日)の缶詰の場合、安全係数0.7をかけると、可食期間はおよそ1564日。つまり、賞味期限を過ぎても、さらに469日間なら安全に食べられる計算だ。
このように、食品の缶詰だって4~5年はOKなのだから、100度以上の高温のなか燃焼ガスを浴びつつ、高圧縮下で使用することを前提としているエンジンオイルなどは、未開封であれば、5~10年程度なら品質劣化はないに等しい。
エンジンオイルの補充画像はこちら
ただし、保管場所が高温多湿で、直射日光を浴びるようなところだったり、缶が錆だらけになっていたり、缶が変形しているようなものは別だ。
寒暖差が少なく、湿度が少ない環境で、オイル缶の気密性が保てていれば、5~10年の保管は大丈夫。とはいえ、長期保管していてもウイスキーやワインのように熟成されることもないので、もっているオイルはできるだけ早くエンジンに入れてやるのがベスト。定期交換が必要な消耗品なので、寝かせておくよりは、交換サイクルを短くしてでも、早めに使い切ってしまうことが得策だ。