過走行の個体が多い86/BRZの激安中古車
そんな激安86/BRZの多くは過走行で、15万kmや20万kmといった距離を走った個体も多い。エンジン的にはそれほど弱くはないので、それくらいの距離でもとくに問題はない。しかし、オイル管理は重要なので、できることならオイルフィラーキャップを開けてみて、ドロドロになっていないかとか、オイルが乳化していないかなどはチェックしておきたい。
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ミッションはあまり強くない。使い方とオイル選びで寿命が変わるので、距離だけで判断できないところだ。3速、4速あたりに入れる時に異音がしたらヤバい。新品ミッションは約30万円で、工賃も入れたら40万円近いコースになるので慎重になりたいが、あえて過走行激安車を買って新品ミッション化もありだ。だが、どうせならクラッチとフライホイールも交換したほうがいいので、やっぱり40万円はかかる。
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足まわりのブッシュのヤレとかもいい出したら結構あるが、意外と高く付くのがチューニング済みの個体。車高調(車高調整式サスペンション)にアレもコレもついててラッキー! と思いたいが、激安で出てきている個体のそういったチューニングパーツはかなりの確率でお疲れになっている。ノーマルの個体を買ってリーズナブルな車高調を装着すれば、健全な状態が約束されているわけでむしろ安い。たとえばTEINのFLEX Zであれば、新品の実勢価格が12万円くらいで全長調整式車高調が手に入る。
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チューニング済み個体としては、傾向の話なのですべての個体に当てはまるわけではないが、気をつけたいのは過給器つきのもの。86/BRZではスーパーチャージャーキットとターボキットが市販されている。過給器チューンはオイルにかかる負担も大きいので、こまめなオイルメンテナンスが必要になる。
だが、過給器チューンを楽しむ人はそのパワーだけを存分に楽しみたい人が多いのか、きっちりかっちりメンテナンスされている個体が少ない傾向にある。エンジンも過給器もお疲れ状態のこともあるので、購入は慎重に。
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そういった気をつけるべき点はあるが、とにかくアフターパーツが豊富なのでメンテナンスを兼ねてチューニングをしていくことも可能。自分好みに仕上げていけるのは大きな魅力だ。
実用性も十分で、後部座席もいちおう人は乗れるし、荷物はかなり積める。燃費もそこそこいい。そして、シャシーの基本性能が高いので、切れ味鋭いコーナリングを楽しめるのは間違いない。そういった意味で激安86/BRZ購入は大アリな選択肢だ。いまから現代版ハチロクとして存分に楽しむタイミングがやってきている。むしろこれまでが高値安定すぎたので、やっと適正価格に下がってきたともいえるだろう。
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