かなりの部分が共通って夢がない!? R34とR33スカイラインGT-Rは「ビッグマイチェン」のような存在だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■R34GT-RはR33GT-Rのシャシーやエンジンを受け継いでいる

■R33にはR34のパーツが流用できるのでパフォーマンスの向上が容易だ

■ノーマルで比較するとR34はピーキーな特性でR33はマイルドな味付けとなっている

R34って見た目以外R33からどのくらい進化してるの?

●R33型スカイラインとR34の関係性は、Z34フェアレディZとRZ34に似ている

 R33型スカイラインGT-RとR34型スカイラインGT-R。その関係性はZ34フェアレディ型とRZ34型フェアレディZと似ている。シャシー、足まわりは継承し、歴代モデルをオマージュしてデザインされた骨格となっているのも共通。

 異なるのはエンジンを踏襲しているGT-Rに対して、Zはオールニューエンジンを搭載し、GT-Rはホイールベースも55mm短縮しているが、Zは変更なしなど多少の違いがあるものの、ともにコストを抑えながら一新するために、選択と集中が図られたクルマといっていいだろう。

日産の業績不振により、選択と集中で開発は進んだ

 さて、本題のR34型スカイラインがR33型に対してどこまで進化したかについてだが、まずはR34型の開発の背景から話していくことにしよう。

 1994年にR33型スカイラインが発売されてから、すぐに次期モデルとなるR34型の開発は進められていた。当初はリヤの足まわりのコンパクト化など、新型車に相応しいアイテムを盛り込むべく開発陣は取り組んでいたが、当時の日産自動車は1988年以降、数度にわたり赤字を計上。追い打ちをかけたのはバブル経済崩壊でR34型が発売される1998年には累積赤字が2兆1千億円まで膨れ上がっていた。

 そして、カルロス・ゴーン氏が社長に就任し、起死回生となるリバイバルプランを発表したのは皆さんご存じのとおり。そんな業績不振時代に開発が進められていたR34型に潤沢な資金が投入されることは到底なく、「少ない予算でいかにアップデートさせるか」、渡邉衡三主管を筆頭とした開発陣は悩み抜いた。

ホイールベースの短縮以外、シャシーや足まわりは共通

 シャシーはR33からキャリーオーバーしながらホイールベースを短縮(じつはR33開発当初、2ドアと4ドアのホイールベースをわける案があった。その際の2ドアのホイールベースがR34に採用された2665mm)することは決まっていたが、改良を施す予定だった足まわりやブレーキ関係は多少手直しされているがほぼ継続。エンジンについても基本はR33からのキャリーオーバー。主軸となるRB25系のヘッドまわりに改良が加えられた程度。極端にいえば、ホイールベースが短縮された以外、車台、パワーユニットに大きな変更はない。

 GT-RについてはR33型に対してレーシングカーと同じ考えで採用されたボディ下の空力デバイス「アドバンスドエアロシステム」やゲトラグ製の6速MTへと多段化されたミッション、ボールベアリングタービンの採用など、新型車らしい総合的な戦闘力向上のための要素は複数盛り込まれている。ただし、開発陣が資金を多く割いたのが、操作安定性向上のためのボディ剛性の底上げだ。


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