【試乗】タイヤが生み出す運転への没入感! ダンロップ「SPORT MAXX LUX」が実現した音と操安性の両立がスゴイ (2/2ページ)

「サイレントコア」により優れた静粛性を実現

 スポーツマックスシリーズの特徴であるフラットなプロファイルを継承し、コーナリング時の安定性を確保。とくにトレッド外側の剛性を高めつつ、イン側の荷重抜けを防ぐ設計になっている。静粛性が強調されているとはいえ、走行性能が犠牲になったわけではない。

 ハイウェイでもしっかりとした接地感があり、SUV特有の車高の高さを意識させない安定感をもっている。ハンドル操作に対するレスポンスも良好で、快適なクルージングだけでなく、スポーティな走りにも十分対応できた。

 SPORT MAXX LUXの静粛性は、ダンロップの誇る「サイレントコア」によるものだ。これは特殊な吸音材を使用し、ロードノイズをタイヤ内部で吸収する技術である。また、シームレスグルーブ技術によってパターンノイズを分散し、タイヤから発生する不快な音を低減。まるで忍び足のような静かさを実現している。

 さらに、デュアルスロープ設計により音の発生自体を抑制。トレッドの溝が笛のように音を発生させるのを防ぎ、「鳴らない笛」のような効果をもつ。これにより、路面状況に関係なく、一定の静粛性を保つことが可能となっている。

 エンジン音がないEVの普及が進むなか、相対的にタイヤノイズが際立つようになった。そのため、タイヤの静粛性向上は喫緊の課題となっている。

 実際にドライブしてみると、確かに静粛性は優れていた。ただし完全な無音ではなく、わずかにロードノイズは残る。しかし、そのノイズは質感が整えられ、不快に感じることはなかった。無音よりも、心地よい音が適度に響くほうが自然だ。問題はその音が耳にどう届くか。SPORT MAXX LUXのノイズは、洗練された「音」として認識できるものだった。

 ダンロップが培ってきた静粛性の技術が結実したSPORT MAXX LUX。これは単なるタイヤではなく、これからのドライビング環境を整えてくれる存在になりそうだ。SUV市場が成長し続けるなか、こうした静粛性に特化したプレミアムタイヤのニーズは今後さらに高まるだろう。ダンロップの最新技術が詰め込まれたこのモデルは、高級SUVオーナーにとって非常に魅力的な選択肢となるはずだ。

 快適な走行性能と静粛性の両立。ダンロップ SPORT MAXX LUXは、まさに時代の求めるタイヤといえる。


この記事の画像ギャラリー

新着情報