【試乗】クラウンに真打ち登場! 待望の「エステート」はPHEVが圧倒的な違いを見せつけた!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■トヨタからクラウンエステートが発売された

■中谷明彦さんがHEV、PHEVモデルに試乗

■デザインや機能、走りについて詳しく解説する

ついにクラウンシリーズが出揃った!

 今回、クラウンシリーズ4兄弟のトリを飾るデビューとなったエステートのPHEVとハイブリッド(HEV)モデルに試乗することができたので、リポートしよう。

 クラウンといえば、日本を代表する高級車ブランドの一角を担い、70年にも及ぶ歴史を背負いつつ常に進化を続けてきた。11代目にもエステートはラインアップされていたが、新たなクロスオーバー的スタイルを採用した最新エステートの仕上がりはどうだろうか。

 エクステリアデザインは、先に登場したクラウン・スポーツやクラウン・クロスオーバーの流れを汲みつつも、よりワゴンらしい実用性を強く意識したフォルムだ。伸びやかなルーフラインと力強いフェンダーの張り出しが、ラグジュアリーとSUV的なタフさを両立させている。

 外観デザインは、クロスオーバーが登場したときと同じようにイメージイラストの雰囲気を大きく変えず、そのまま実車化されたようなフォルムが具現化されている。ボディのディメンションは全長4930mm、全幅1880mm、全高1625mmだ。最低地上高はPHEVが165mm、HEVモデルは175mmとなっていて、これはクラウンシリーズのなかでもっとも大きな値となっている。 PHEVが10mm低くなっているのは、HEVよりも約200kg重たい駆動バッテリーをフロア下に抱き込んでいることが影響している。ただ、このバッテリーの重さは操縦性や乗り心地に好影響を与えていることが試乗してわかった。

 クラウンエステートに搭載されるパワーユニットは2.5リッターの直列4気筒A25A-FXS型にハイブリッドシステムを組み合わせたもので、クラウン・スポーツやクロスオーバーに採用されているものと同タイプだ。ただ、エンジンの発生する出力は、ジェネレーターなどとの組み合わせによりスポーツ/クロスオーバーやセダンとは異なっている。エステートのHEVでは発電用ジェネレーターの定格出力を考えてエンジン自体の出力制御を変え、カタログ値的にも若干高い数値となっているのが見て取れる。

 クルマに乗り込むと、インテリアのデザインや作り込みなどは、クロスオーバー/スポーツを引き継いでいて、非常に優美で、工芸的にも美しい仕上げと最新の素材をうまく融合させた魅力あふれるものとなっている。室内のカラーバリエーションは3色用意されていて、試乗車にはグレイッシュブルーのクールなデザインが採用されている。

 メーターは12.3インチの液晶で、同サイズのセンターモニターと組み合わされ、視認性や操作性などは非常に優れている。この辺の所作はすでにクロスオーバー/スポーツで見慣れているもので、新世代クラウンのインストゥルメントパネルとして定着してきた。ただメーター内表示の文字フォントやイラストが小さく、老眼の自分にはやや視認性に難を感じる。このあたりはユーザーの若返りを意識しているのかもしれない。

 シートは前席左右ともに電動のアジャストが可能で、シートベンチレーションやシートヒーターが備わり、またステアリングヒーターも備わっていて寒い冬の朝でも快適な運転操作が可能だ。

 スタート・ストップボタンを押すとシステムが起動し、電動で走り始める。今回PHEVに採用されたバッテリーは、総電力量が18.1kWhあり、WLTCのEV等価モードで約62kmの走行が可能となっている。そのため、日常的な使用はほとんど、エンジンをかけずにEVとして使用できるということが特徴となっている。


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中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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