
この記事をまとめると
■モーターショーなどではコンセプトカーが数多く登場する
■コンセプトカーのようなデザインのまま市販されたモデルを紹介
■どれも市場に大きなインパクトを残したデザイン部の高い志が感じ取れるモデル
コンセプトカーがそのまま市販化!?
グッドデザイン、スタイリッシュデザインと呼ばれるクルマは少なくありませんが、その「素晴らしさ」はいろいろ。そこで、今回は「まるでコンセプトカーそのままで出てきた!」といいたくなる、超未来的デザインのクルマ5台をピックアップしてみました。果たして読者のみなさんの想像どおりとなるでしょうか?
●ガラスで囲まれた未来派コンパクトクーペ
最初に取り上げるのは、トヨタのセラ。1987年の東京モーターショーに出品されたAXV-IIの市販車版として、3年後の1990年に発売されたコンパクトクーペです。
若手スタッフ中心の「ヤングプロジェクト」によって企画された同車の商品コンセプトは「全天候型オープン」。ガルウイングならぬバタフライウイングドアを筆頭としたグラッシーキャビンが自慢です。
外から丸見えのインテリアも、ドライバーに向けた大きなカタマリのインパネやヘッドレスト一体型のシームレスなシートなどがじつに先進的。
こんな近未来カーでありながら、テールランプ周辺の仕上げなど実用車的なまとまりを見せているのが秀逸で、いくらスターレットベースとはいえ、わずか160万円からの設定とは、まぁなんともいい時代だったということでしょうか。
●エンジンを床下に追いやった天才レイアウト
次に紹介するのは、同じくトヨタから初代のエスティマ。1989年の東京モーターショーに海外名の「プレビア」で出品、翌年に販売が開始された大型ミニバンです。
「Egg on the BOX」のコンセプトによる未来的ボディは、北米スタジオであるCALTYによるもの。ドアガラスまで3次元形状の球面スタイルは、強い曲率によるリヤガラスを含め、単なるワンモーションフォルムを越えたカプセルシェイプ。
下半身の大型樹脂プロテクターはアクセントにもなるし、低い位置に置かれた前後ランプによって安定感は抜群です。
大きく波打ったインパネなどインテリアも未来的で、床下ミドシップレイアウトというトンデモ発想を裏切らないそのスタイルはまさに「天才タマゴ」といえるもの。セラ同様、トヨタがときどき見せるぶっ飛び具合が全開の1台です。