どんだけ殿様商売なんだ! フェラーリやポルシェの「役物」にたどり着くには時間と莫大なお金が必要だった (2/2ページ)

ブランドイメージを守るという意味合いも

 細かな話になりますが、フェラーリの特別な限定車の場合はもう少しスケールが大きくて、カタログモデルを3台買って、登録後すぐにディーラーの提示する価格で下取りさせてようやく手に入るのだとか。つまり、限定車の価格に3台の下取り差額が乗せられるわけですから、なかなか思い切った買い物になりそうです。

 これをアコギな商売といい捨てるのは簡単ですが、実際には世界中で似たようなことが起きています。日本などはまだ割り当て台数があるほうで、少ない国になると新車価格からして日本やアメリカの2倍なんていうのも珍しくありません。当然、限定車や役物の価格もべらぼうですから、そうした国のお金もちは、それこそアメリカや中国まで出向くことが習わしにすらなっている模様です。

 もっとも、フェラーリにしろポルシェにしろ、本社はこうした風潮を関知していないわけでもありません。彼らにしても、本音は「じゃんじゃん作って、バンバン売ろう」だと思われますが、それではブランド価値が守り切れない。なんせ、バンバン売れば転売屋も出てくるでしょうし、中古市場でタマがだぶついたりしたらブランドの沽券にかかわります。

 つまり、売り惜しみ、出し惜しみに見えたとしても、長い目で見れば顧客を守る方策といえなくもないのです。まぁ、じゃんじゃん作ろうったって、両社とも生産規模がそこまで追いつかないというのが本当のところではないかと思いますけど(笑)。

 ちなみに、ベンテイガ乗りの友人は、たまたま出かけたフェラーリのサーキットイベントで仲よくなったコレクターから、程度のいい488ピスタを譲ってもらえたそうです。今度はそれに乗ってディーラーへ行ってみると鼻息を荒らげていましたが、果たしてどうなることやら楽しみでなりません。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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