
この記事をまとめると
■2025年3月15〜16日に三重県にて全日本ダートトライアル選手権が開幕
■2025年に新設されたD1クラスでは改造範囲が広く魔改造マシンも多い
■水平対向エンジンを搭載したMR-SやFF駆動のBRZなどが出走した
ダートトライアルを盛り上げる魔改造マシンたち
2025年の全日本ダートトライアル選手権が開幕し、3月15〜16日に三重県のいなべモータースポーツランドを舞台に第1戦が開幕。雨/ウエットに祟られるなか、各クラスで激しいバトルが展開されていたが、そのなかで注目を集めていたのだが、2025年に新設された“D1”クラスだといえるだろう。
D1クラスは改造制限および排気量区分のない2WD車両を対象とするクラスで、いわば二輪駆動モデルの最高峰クラスにあたる。
これまで、唯一のアンリミテッドクラスとして設定されていたDクラスは4WDモデルを主体としていたが、そのDクラスをD2クラスに変更したほか、ナンバーなしの改造2WDモデルとして争われてきたSC1クラスをD1クラスに昇格することでD1クラスを設立。
SC車両と違って、D車両は他メーカーのエンジンの搭載や駆動方式の変更が行えるほか、最低重量も設定されていないことから、より自由なモディファイが可能で、2025年のD1クラスの設立に合わせて、SC1クラスから改造範囲を広げたマシンのほか、D1クラス用に開発されたニューマシンなど、2WDの“魔改造モデル”が集結していた。
なかでも、D1クラスで最大のトピックとなったのが、パッション崎山選手が投入したMR-Sだといえるだろう。これまでGRトヨタ86を武器にPN3クラスを戦ってきた崎山選手は「外装も含めて改造しやすいし、そもそも車両重量が軽いこともあって選びました」との理由からMR-Sを選択。
もともとはほかのドライバーがSC規定で開発した車両だったが、「パワステとブレーキキャリパー以外、トヨタの純正パーツはありません」と語るほど、それをベースにパッション選手がD1規定にアレンジ。
その最大のポイントがエンジンで「D規定では他社のエンジンを搭載できるし、レイアウトも変更可能ですからね。たまたまスバル車があったので、EJ20を縦置きにして搭載しました。ギヤボックスもスバルの6速で、センターデフをロックしてFFとして使用されたものをリヤに搭載しました」とのことだ。
外装パーツはオリジナルで、燃料タンクやバッテリーなど行き場を失ったパーツをフロントのラゲッジに搭載。ドライブシャフトは日産で、最高出力は280馬力程度だが、最低重量は960kgで「ミッドシップでちょっとピーキーだけど、クルマが軽いのでストップ&ゴーのセクションのフィーリングはよかった。乗っていて楽しいです」と好感触。
「ウォッシャータンクを搭載していないので、第2ヒートは泥で視界が確保できずに走行をやめました」と語るように、残念ながらパッション選手は、第2ヒートは走行途中でリタイヤしたが、それでも6位入賞を果たしただけに、今後の熟成次第ではパッション選手のMR-Sが上位争いに絡んでくるに違いない。