ベテラン勢が続々と魔改造マシンを投入
また、これまでインプレッサを武器にSC1クラスを戦ってきた佐藤史彦選手も、D1クラスに合わせてユニークなスバルBRZを投入。同モデルはもともと鎌田卓麻選手がDクラスに投入していた4WDのBRZだが、「レガシィに搭載されている6気筒のEZ30を無理矢理に搭載しました。ギヤボックスもレガシィで使用されたもので、せっかく駆動方式が変更できるのなら面白いモノを作りたいと思いまして、フロント駆動にしました」と語るように、世界初(?)のFFのBRZが誕生したのである。
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そのほか、同モデルはフロントのダンパーおよびブレーキキャリパーはGDBの4ポットを移植するなど、同モデルも寄せ集めのパーツでコーディネイト。「20万kmを走ったエンジンなので最高出力は200馬力も出てないと思いますし、テストができなかったので、シートポジションが低すぎて前が見えなかったりと苦労した部分もありましたが、メカ的な面での違和感はなく走れました」と佐藤選手も好感触。残念ながらマシンの熟成不足が否めずに10位に留まったが、マシンが仕上がってくれば上位争いに絡んでくるに違いない。
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また、昨年まで車検対応のSA2クラスにスイフトを投入していた志村雅紀選手もD1クラスに合わせて、スイフトのアップデートを実施。「もともとはレイルさんが筑波のタイムアタック仕様として開発した車両で、ノーマルエンジンに大きめのタービンを装着。ECUもノーマルを書き換えたもので、最高出力は200馬力ちょっとくらい」といったように、パワーユニットに関しては目立ったチューニングが行われていない。
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しかし、「エンジン的にはSA2クラスの延長ですが、昨年の全日本ジムカーナ選手権で開発していた油圧のサイドブレーキを追加して、リヤのブレーキをツインキャリパーにしました。車検に対応してなくてもいいので、リヤウイングも筑波のタイムアタック用に開発された大型のウイングを装着。ダートトライアルのSA2クラスとジムカーナのBC1クラス、あとタイムアタック用の中間的なモデルです」とのことで、さまざまなアップデートが実施されているようだ。
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「マフラーも変わったので、サウンドの高揚感がありますね。エアコンやライト類などはそのままなので D車両として軽量化を追求したわけではないけれど、タービンの大型化でトルクが増えたので、乗りやすくなりました」と好感触。残念ながら同モデルのデビュー戦は8位に留まったが、ノビシロが多いだけに、志村選手のスイフトもD1クラスで進化を続けていくに違いない。
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そのほか、昨年までSC1クラスを戦っていた鶴岡義広選手がヘッドライトやルーフの材質変更で軽量化を追求するなど、各ドライバーがD1クラスの設立に合わせてマシンのアップデートを実施。開幕戦には間に合わなかったが、今後も続々と2WDのモンスターマシンの登場が期待されているだけに、D1クラスの動向に注目したい。