この記事をまとめると
■ヴィーマックは東京R&Dとヴィーマック・カー・カンパニーの設計によって生まれた
■1トン以下の車重にホンダのVTECエンジンを搭載し高いポテンシャルを秘めていた
■スーパーGTでも大活躍したが市販モデルは15台ほどしか販売されなかった
幻のライトウエイトスポーツ「ヴィーマック」とは
「ヴィーマック」と聞いてすぐに車両が脳裏に浮かぶのはコアなクルマ好きかモータースポーツファンだろう。このクルマは、日本の東京R&Dとイギリスのヴィーマック・カー・カンパニーの設計によって生まれた少量生産スポーツカーで、2000年にRD180というモデルがリリースされていたものだ。
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ヴィーマックは、1995年にネオ・ヒストリックレースというカテゴリのために作られたレーシングカーの、カドウェルというモデルのロードゴーイングバージョンというコンセプトで作られたもので、ミッドシップにエンジンを搭載する2シータークーペとなっていた。
シャシーは鋼管スペースフレームで足まわりは前後ダブルウイッシュボーン式。ボディは軽量なグラスファイバー製となっており、車両重量は1トンを切る仕上がりだ。
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搭載されるエンジンはカドウェルのときはトヨタの1.6リッターの排気量をもつ4A-G型だったが、ヴィーマックではホンダの直列4気筒1.8リッターのB18C型を搭載。スペックは180馬力となっていたことから、インテグラタイプRに搭載されていたものではなく、SiR-Gに搭載されていたものと推察されるが、1トンを切るボディには十分な出力だった。
なお、どちらも右ハンドル圏の日本とイギリスのコラボで生まれたモデルということで、ハンドル位置は右となっていたが、シフトノブも右側に存在しており、往年のレーシングカーを彷彿とさせるものとなっている。
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そして、このRD180をベースに、NSXのC32B型エンジンを無限がチューニングしたものを搭載したRD320Rで2002年に全日本GT選手権(現SUPER GT)のGT300クラスにR&D SPORTから参戦。
レーシングカーのロードゴーイングバージョンという成り立ちもあってか、デビュー戦でパーフェクトウィンを達成し、チャンピオンの獲得こそならなかったが、ポールポジション4回、優勝3回と速さを見せつけたのだった。
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その後はGT500にクラスアップをし、マシンもRD320RからRD350R、そしてRD408Rへと変更しながら2008年まで参戦していた。
一方の市販モデルは、2004年に搭載エンジンを2代目インテグラタイプRなどに搭載されていた220馬力を発生する2リッターのK20Aに変更した後継車種のRD200へと進化。
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ただ、実際には20数台ほどしか販売されたなかったようで、残念ながらそのままフェードアウトしてしまったようだ。